「ケニアに移住」これで自分を変えられる
その後、不動産会社に派遣社員として入り、のちに正社員に。
「オフィスは東京・丸の内にあり、学生時代に憧れた都会のキャリアウーマンになれたことがうれしかった。ようやくみんなに自信を持って自分の仕事を話せるようになりました」
その会社で出会ったのが、夫となる河野邦彦さん。邦彦さんは、海外で起業する夢を持ち、つき合いはじめて間もなく、会社を退職してアジア各国を飛び回る生活に。
そして突然、「アフリカのケニアで起業するから、結婚して移住しよう」と告げられました。
「彼は反対されると思ったらしいですが、私は『ラッキー!』って大喜びしました。
私にとって、ケニアは海外旅行の候補にも挙がらない、遠くて未知の場所。ましてや移住なんて、よほど志が高く覚悟を持っていなければしないでしょう。
だから、『夫が働く場所に行けるなんて、おいしいポジションじゃん!』って思いました。
正直、丸の内でOLになる夢はかなったものの、在籍期間が長くなるにつれて、また自身の成長を見いだせなくなっていたときでもありました。
大きく環境を変えて、たくましく生き抜く精神力と知恵を身につける絶好のチャンスだと思ったんです」
初めてケニアの地を踏んだ河野さんは衝撃を受けました。
「当時、私のケニアの知識といえばマサイ族くらい。ツリーハウスに住むのかと思うほど無知でした(笑)」との想像とは大きく異なり、首都ナイロビは高層ビルが立ち並ぶ近代的な大都市。
「おしゃれカフェやカラフルな雑貨が街にはあふれ、人々は陽気で活気に満ちていて。見ているだけで気分が高まりました」