カラフルな原色づかいとインパクトのある柄が目を引く、アフリカ布を使ったアパレル「RAHA KENYA」。ユニークなブランドを立ち上げたのが、新卒時に60社落ちを経験した河野理恵さんです。自分の道を突き進む現在とは違い、20代は「自信がない、でも変わりたい」迷走する日々だったといいます。
できるタイプと自信満々も就活は「全敗」
「学生時代は、大手企業でハイヒールをカツカツ鳴らして闊歩するキャリアウーマンに憧れていました。なかでも、MR(製薬企業の営業担当)になりたくて。響きがかっこいいから(笑)」
しかし、MRを中心に60社以上受けたものの、結果はすべて不採用。
「バイト先では他人よりも飲み込みが早くて褒められることが多く。自分では“できるタイプ”だと思っていたので、正直、就活も自信がありました。
いま思えば、自分の浅はかな志望理由が原因なのですが…。不採用通知を受け取るたびに『こんなはずじゃなかった』と焦るばかりでした」
就活のシーズンに内定を逃し、最終的に選んだのが介護への道。両親が年を取る将来を見据えて、介護を学んでおくのもムダではないと考えました。しかし…。
「お年寄りと接するのも楽しく、やりがいもあったのですが、介護のノウハウをひと通り身につけると、その先の目標が見えなくなって1年で退職してしまいました」
次に目指したのが、中学・高校の教員。アルバイトをしながら大学の通信制に通って教職免許をとりました。
しかし、いざ教育実習に行くと生徒と向き合う自信がなくなり、教員は諦めてしまいます。
「目標を見つけたら、すぐ行動に移せるのに、『これが本当にやりたいことなの?』と疑問を感じると、もう気持ちがついていけない性格。腰を据えて行動できない自分に、劣等感は募るばかりでした」