ネイルに魅了される妻、嫌がる夫

最初は淡いピンクのジェルネイルを頼んでいたサユキさんですが、徐々にデザイン性のあるネイルに魅せられていきました。

 

「でも、仕事もしているし、そんなに派手なものはできない。グラデーションで凝ったり1本だけ絵を描いてもらったりという程度。

 

娘たちは私がネイルを変えるたびに興味津々でした。長女には夏休みだけならと、一緒に行ってやってもらったんです。すごく喜んでいました」

 

ところがこれが夫の目に止まり、“なんだあの爪は”と言い出したのです。サユキさんが説明すると、夫は初めて妻の爪を見ました。

 

「そんなことしていたの?って。半年以上やっていたのに気づいていなかったんですね。

 

夫はしばらく考え込んでいましたが、子どもたちが寝ると、『あのさぁ、やっぱりやめてくれないかな、その爪』と言い出したんです」

 

夫はもともと女性の化粧を嫌うタイプ。サユキさんも化粧は好きではなかったし、パーマもかけたことがなかったのですが、夫はそこが気に入ったそうです。

 

「ずっとショートカットだし、服にもあまりこだわりがないんです、私。白いシャツにジーンズがいちばん好き。

 

夫はそういう私を好きだった。だからジェルネイルなんて人工的なものはやめてほしい、と」