年齢を経てくると、男女問わず、白髪、シワやシミを気にする人が増えます。子どもも少しだけ手がかからなくなり、自分に時間をかけることができて、おしゃれに目を向けることもできます。ところが、そんな妻をよく思わない夫がいるとしたら…。

「私の手は労働者だわ」からネイル通いが始まる

「下の子が小学校に入って、行事などで学校に行くと、今どきのママたちはみんな指先もキレイにしている。

 

自分の手をふと見たら、節は太いし色は黒いし、ああ、労働者の手だわと思ってしまいました。それもしかたないと思っていたんですが」

 

苦笑しながらそういうのは、サユキさん（43歳＝仮名、以下同）です。結婚して14年、長女は中学1年生、次女は小学生3年生になりました。

 

あるときパート先で、同僚の淡いピンクのつやつやした爪を発見。自分でやっているの？と聞くと「まさか。ネイルサロンよ」と言います。

 

「贅沢だわと思ったんですが、値段を聞いてびっくり。3週間はもつというし、だったらプロにやってもらって、自分でも少しいい気分になりたいと思ったんです」

 

早速、行ってみると、居心地がいい空間、ネイリストとのおしゃべりにすっかりリラックスしたサユキさん。今後も通おうと決めました。

 

「私が出会ったネイリストさんとは相性がよかったんでしょうね。彼女、それほどおしゃべりではないんですが、なんとなく会話が続くし疲れない。

 

ムリにしゃべろうともしないので黙っていてもかまわない。気をつかわせないスキルがあるんだなと思いました」

 

たまに家族のグチを言っても、PTAの理不尽さを嘆いても、彼女はそれとなく共感しながら聞いてくれる。そして、いつも「サユキさんなら大丈夫ですよ」とニッコリ笑ってくれるのです。