親戚が来ても挨拶もできず
── ところで、遼河さんは明るくてハツラツとしたイメージがあります。宝塚に入る前から活発なお子さんだったのでしょうか。
遼河さん:子どものころはまったく逆でした。幼稚園の学芸会の写真が残っていますが、みんなが踊っているなかでひとりだけ、何にもしないで微笑んでるだけ。とても恥ずかしがり屋な子どもでした。
または、親戚が遊びに来ても挨拶ができなくて、そこでもやっぱり笑ってるだけだったんです。
── そんな遼河さんが、宝塚に入ろうと思われたきっかけはなんだったのですか?
遼河さん:もともとミュージカルを見るのが好きだったんです。でも、自分がやりたいとは思いついてなくて。きっかけは、高校2年生の冬。母の友人に初めて宝塚に連れて行ってもらったことです。演目は『華麗なるギャツビー』。一路真輝さんが男性役として出演されていました。
当時、私は自分の身長が高いことをマイナスに捉えていたんです。でも、舞台で男役の方を観たとき、カッコよくて、綺麗で、なんとも言えないような不思議な魅力、憧れを感じて…。その瞬間にハマりました。また、一路さんが名古屋出身の方だと聞いて、少し身近に感じたのかもしません。
── ただ、子ども時代の遼河さんを知っている人たちはその後、舞台に立つことになって驚かれたのでしょうか?
遼河さん:そうですね。まさかあの子が?って。その後、宝塚を目指してスクールに入ることになりますが、人生どこに縁があるかわからない。我ながら不思議だなと思います。
PROFILE 遼河はるひさん
りょうがはるひ。1976年生まれ。元宝塚歌劇団、女優、タレント。1994年、月組の男役として人気を博す。2015年に昼の連続ドラマ『癒し屋キリコの約束』に主演したほか、タレントとしても多くのバラエティで活躍している。
取材・文/ふくだりょうこ 撮影/阿部章仁