早朝から夜までレスリング漬け…メンタルを支えた両親の存在
── 10代は相当ハードな練習をされていたのですか?
金城さん:
高校入学と同時に寮に入ったんです。毎日朝練があり、終わったら学校に行って、急いで帰って午後はまた練習…って感じだったので、しっかり食べないと体力がもたなくて(笑)。体づくりのために食べなきゃっていうよりも、倒れないためには何かを食べなきゃ!っていう感じでした。
── そんな生活をしながら競技を続けるうえで、両親の支えは感じていましたか?
金城さん:
私も友香子も中学卒業と同時に寮生活に入ったので、両親と直接会うことが本当に少なくなったんです。だからレスリングに関しては、テクニックよりメンタルの部分で上手くいかないことがあったときに話を聞いてもらっていました。
── オリンピック出場はいつ頃から意識しはじめたのでしょうか?
金城さん:
吉田沙保里さんという世界でトップの人がいる環境でレスリングをやっていたので、最初はそこについていくのが精いっぱいでした。世界的な選手を肌で感じるなかで、「自分がオリンピックに出る」ことはなかなか考えられなかった。本格的にオリンピックを意識したのは、大学に入ってからかもしれません。
── 高校生の頃から大きな大会で活躍していたわけですし、周りからはオリンピック出場も期待されていたのでは。
金城さん:
高校生のときは出場する選手も高校生に限られていましたが、大学生になるとその枠組みがなくなって、シニアという括りになります。そうなると今までと全然違いました。高校生のなかでは勝てたけれど、大人たちには勝てない。だから最初の頃は、「オリンピックに出たい」なんて軽々しく言えないなと思っていました。
どんな相手もライバル…誰と試合をするときも緊張する
── 自分よりも強い相手と試合するときは、やはり緊張されるものですか?
金城さん:
誰と試合をするときも緊張しますね。相手が強い人だから緊張するのではなくて、みんな勝ちたくて試合に出ているライバル同士。だから誰が相手でも緊張はするし、最初から自分の気持ちをしっかり持ってと臨まないといけないと思っています。
── 倖田來未さんがお好きだそうですね。どういったときに曲を聴いていますか?
金城さん:
ウォーミングアップ中も聴きますし、試合前にも聴いています。音楽は日常的には聞いていますね。試合前にイヤフォンで音楽を聴いている選手も多いですよ。
── 試合前は、試合の際のイメージトレーニングを綿密に行う感じなのですか?
金城さん:
試合前のウォーミングアップで試合の組み立てを考えるというより、練習のときから考えています。試合当日は、毎日の練習でつくり上げたイメージの確認作業をするだけ、という感じですね。