40代の小暮広美さんは、今年4月にすかいらーくグループが打ち出した「40代~50代の正社員採用」募集に応募し、現在正社員として働いています。15年以上専業主婦だった小暮さんがどんなステップを踏み、今どんな思いで仕事をしているのか、お聞きしました。
専業主婦を15年以上…「自分の仕事を持ちたい」と応募
── 小暮さんがすかいらーくグループの「40~50代の正社員採用」に応募したきっかけを教えてください。
小暮さん:
テレビの情報番組で、子育てがひと段落した40代から50代の方をすかいらーくグループが積極的に募集しているという情報を見たのがきっかけです。将来的には店長への起用も視野に入れていると知って。ちょうどそのとき、私自身「自分の仕事をちゃんと持ちたい」と思っていたので、今の自分の気持ちにぴったり合っていると思って応募しました。
── それまで何か仕事はされていましたか?
小暮さん:
卒業後、ハンバーガーショップで3年ほど働いていました。その間に店長も経験して、結婚と同時に退職してからもウェイトレスの仕事は続けていたのですが、出産後は15年以上、主婦業と子育てに専念していたんです。下の子も高校生になって、子育ても落ち着いたので仕事がしたくて、昨年から派遣の仕事をしていました。
「採用が嬉しかった」できない自分が悔しくて泣いたことも
── 採用されたときはどんな気持ちでしたか?
小暮さん:
ダメかもしれないと思いながら応募したので、本当に信じられなくて。一次審査、二次審査と通って、最終的に採用の通知をいただいたときには「本当ですか?信じられない!」と、とても驚きました。
── ご家族や周りの方の反応はいかがでしたか?
小暮さん:
家族にとって私が家にいることが当たり前の生活だったので、最初は「さみしい」と言っていましたね。でも、「すごいね」「頑張ってよかったね」と喜んでくれました。
── 今の仕事内容を教えてください。
小暮さん:
主にレストランのフロア業務を担当しています。お客様のご案内から料理の提供、調理の補助、会計、また店内の清掃や消毒など全般に渡ります。
── 入社後、ご自身に変化を感じることはありますか?
小暮さん:
積極的になったと思います。自分からまわりの方へ質問しながら仕事を覚えていくことが多いです。以前はどちらかというとそういうタイプではなかったので、仕事を始めてから変わったと思いました。
変われたのは、自分が採用されたことへの責任感が生まれたからかもしれません。「今の仕事を早く覚えて、こんな仕事もできるようになりたい」という意識が強いです。また、仕事への前向きな姿勢が、お客様の笑顔にもつながるはずと思っています。
── これまで失敗したと感じたことはありますか?
小暮さん:
それがたくさんあって…。トイレにこもって泣いたこともあります。レジの精算で間違えたこともありますし、テイクアウトのご注文を電話でお客様から受けた際に、私のミスで注文を繰り返していただいたことも…。失敗はいろいろ経験しました。
働ける限り働いていきたい
── 誰にでも失敗はつきものですし、失敗しないとわからないこともありますよね。では逆に、これまでの経験が活きていると感じることはありますか?
小暮さん:
お子様連れのお客様がご来店くださった際は、「かわいいなあ」と思いながらお子様にお声がけするのですが、そういった会話がとても楽しいです。それと清掃を担当するときに細かいところに気づけるのは、やはり主婦の経験が活かされているからだと思います。
── これからの働き方やキャリアなど目標があれば教えてください。
小暮さん:
3年後に店長になることが目標です。働ける限り、続けていきたいです。
働くことで自分が生き生きしていると感じられますし、周りからもそう言われます。社会との接点もでき、いろいろなお客様やスタッフの方とお話できることが嬉しいですね。今の仕事で社会人としてのキャリアをしっかり積んでいきたいです。