人生を反映した写真を撮りたい
写真館に勤務した後、うえはたさんは写真撮影や記事の執筆を手掛ける業界紙の記者に転職します。
結婚、妊娠、出産を経て、会社を退職。さらに2人目を出産し、育児に追われるあわただしい毎日を送りました。
「しばらくはカメラからも遠のいていたのですが、育児がひと段落して仕事復帰を考えたときに、時間の融通が利くフリーカメラマンになろうと思いました。
そのとき、やっぱり頭に浮かぶのは遺影のことでした。我ながら、なぜこんなにこだわっているのかと考えてみると、遺影は、“その方の人生の集大成”といえる写真であってほしかったからです。
亡くなったご本人も、“これは自分らしい写真だ”と満足でき、残されたご遺族にとっても、その方を思い出す大切なものであってほしい。
私が考える“人生の集大成の写真”とは、その人がどんな道を歩んできたのか、人間性や人柄などの内面が現れたものです。
こうした遺影への思いが、私が写真を撮るうえでの軸になっています。ただの自己満足で終わるのではなく、つねに“その人らしさとは何か”を考えながら撮影しています」