学校便りのプリントを配布する学校があるなか、校長先生が毎日、Instagramで子どもたちの様子を積極的に発信する小学校があります。「誰ひとり取り残さない」をスローガンに掲げ、さまざまな改革に取り組む横浜市立山内小学校。佐藤正淳校長が抱く、教育に対する情熱、子どもたちへの思いとは──。
校長みずからInstagramで学校の様子を発信
同校が力をいれているのが、積極的な情報発信。佐藤正淳校長は着任した2019年7月に公式Instagramを開設し、1日に何回も更新しています。
「公立小学校での取り組みを、ふだんから保護者や地域の方に知っていただく機会はなかなかありません。
そこで、多くの人に目にしてもらえるInstagramを活用し、学校の様子をお伝えすることにしました。もちろん、個人が特定されないようにするなどのガイドラインを作ったうえです。
行事についてはもちろん、日々の子どもたちの様子、私たち教師の信念や教育への思いなどを発信しています」
以前から山内小学校に浸透していたキャッチフレーズは「あったかハート」 。生徒一人ひとりの個性や考え方を尊重し、生徒や教師はもちろん、保護者、地域の人などが学校に関わる人が全員、思いやりを持って学校に関わることを理念としています。
さらに佐藤校長は着任以来、「誰ひとり取り残さない」をスローガンに掲げ、学校改革を進めています。
同校は明治6年に創立され、一般学級が22学級、個別支援学級が5学級ある横浜市内では中規模の小学校です。
「学期末、子どもたちには通知表を渡すとき、担任は廊下に席を作って、生徒一人ひとりに“こんなことをがんばってきたね”と伝えていきます。
その様子をInstagramにアップしたところ、“先生方はこんなに丁寧に生徒と向き合ってくれているんですね”と反響がありました。
日常を伝えることで、保護者は学校について理解を深めてくれます。双方の距離が縮み、信頼関係を築きやすくなるのです」