結婚を迫られるイメージイラスト

過剰な愛情表現に、「かつては誤解されたり翻弄されたりしましたね」と、話す女性がいます。「死ぬくらい好きだ」と言われて、それを確かな愛と受け取ってしまう。その結果、想像もしえない結婚生活が待っているとしたら。そんな経験をした女性の話です。

日本まで追いかけてきてくれた彼

休暇が取れるとアジアをひとりで回るのが好きだった、というマリナさん(42歳、仮名=以下同)。

 

あるとき、現地の同世代男性と知り合いました。数日間、彼は街を案内してくれたり、一緒に食事をしたりしてくれたそう。

 

「すごく素敵な人で恋に落ちました。帰国する日は空港まで送ってくれて、手を取り合って泣きました。別れるのがつらくて」

 

2か月後、彼が来日。彼女の部屋で「結婚してほしい」とプロポーズ。そのとき彼女は34歳。正直、結婚に少し焦りがありました。

 

「親は東京でのひとり暮らしに反対で、“会社を辞めて実家に戻ってこい”と言うし、見合い写真はバンバン送ってくる。

 

ひとりっ子なんで、親は心配だったんでしょうね。私は地元に帰りたくはなかった。でも結婚はしたい。どうせなら、誰もが驚くような相手としたかった。それに見合うのが彼だったんです」

 

彼は決して裕福なわけではなさそうでしたが、父が会社を経営しているから「きみがこっちに来ても大丈夫」と言ってくれたそう。

 

知らない土地に行く不安から、彼女も“少し考えさせてほしい、あなたが帰国するまでに返事をする”と、気をもたせる返答をしました。