現場で学んだ「声の仕事の奥深さ」

── アフレコで、中川さん自身に感じた変化はありましたか?

 

中川さん:
前回は技術的な部分も含めて、いっぱいいっぱいでした。

 

ソニック(の演じ方)も探さなくちゃいけないし、マイクとの向き合い方にも慣れる必要があって、余裕なんて全然なかったです。

 

でも、前作を演じ切ったことや『ジョゼと虎と魚たち』を経て、声の仕事の楽しさと奥深さを僕なりに知ることができました。映像や舞台の芝居と通じる部分、違う部分を感じながら楽しむ余裕ができたのはよかったと思っています。

 

山寺宏一さんや木村昴さんとご一緒させていただいたことで、勉強になる部分はたくさんありました。自分でリミットを決めてはいけない、もっと自由に考えていいということを学ばせてもらいました。

スカウトは不思議な出会い

── 一緒にドクター・ロボトニックに立ち向かうナックルズとテイルスも個性があって魅力的なキャラクターでした。

 

中川さん:
それぞれに自分と似ていると感じる部分のあるキャラクターたちです。

 

でも、やっぱり一番共感したり、重ねたりするのはソニックですね。ソニックの負けず嫌いなところは僕も同じなのでよく分かるんです(笑)。自分も決めたことは何が何でもやらないと気が済まないタイプなので、共感しながら演じていました。

 

中川大志
運命を感じる出会いについて語った中川大志さん

── ソニックがヒーローになるためには、ドクター・ロボトニックとの戦いは運命だったのかもしれません。中川さん自身、これまでに運命を感じた出会い、出来事ありましたか?

 

中川さん:
スカウトされたことかな。

 

あの日、あの時間に、あの場所を歩いていなかったら、この仕事に出会うことはなかったかもしれません。また別の人生もあったのかもしれないと想像することもありました。

 

あのスカウトがあって、今がある。自分の人生の半分以上、この仕事をしていることを考えると、不思議な出会いだったし、運命だったのかなと思うこともあります。

 

<作品情報>
『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』
公開中
日本語吹替版:中川大志、山寺宏一、木村昴、広橋涼、中村悠一、井上麻里奈、中村正人(DREAMS COME TRUE)
配給:東和ピクチャーズ
©︎2022 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC.

取材・文/タナカシノブ