1か月健診後に襲ってくる“不安感”をカバーしたい

助産師として複数の病院に勤務し、約800人の赤ちゃんを取り上げた経験を持つ高木さんは、当時から妊婦や産後、育児中の母親たちへのケアが手薄なことが気になっていました。

 

「病院の妊婦健診は、効率重視になりがちです。妊婦さんは疑問があっても“看護師さんも先生も忙しそうだから、質問するのは申し訳ない”となりがちです。

 

わからないことを解消できないまま、なんとなく妊娠中を過ごしてしまう人が多いです。

 

いざ出産してみたら初めてのことだらけ。入院中に基本的なことだけ教わり、1か月健診が終えると、母親たちの育児は孤独になります。

 

二人三脚でこもれび家の運営をしている高木静さん、高木駿さん夫婦

頼れる人がいない、頼れる場所がわからない。必死で育児に向き合って、産後うつになってしまうことも…。

 

出産も育児も、とても大変です。だから本当はもっと周囲が協力しやすい環境が必要なんです。

 

こもれび家は、どの病院で産んだ人も、この土地で知り合いがいない人も、誰でも来てもらえる場所にしています。

 

そして、地域の人とのつながりを深められるコミュニティでもあり、地域全体で子育てする場所でもあるんです」