BSテレ東『日経ニュース プラス9』では金曜日のメインキャスターを務め、『開運!なんでも鑑定団』(以下、鑑定団)など、数多くの番組にかかわるテレビ東京アナウンサー・片渕茜さん。
アナウンサーの資質が問われる「伝えること」「聞くこと」が必要となる場面では「トータルで雰囲気をどうつくるかも、大切な要素なんです」と語ります。いったいどんな工夫をしているのでしょうか(全4回中の4回目)。
緊張をほぐす「アイドリングトーク」が大事
── お仕事の現場でいい雰囲気をつくるために、ご自身で意識していることはありますか?
片渕さん:
どの現場でも、私自身に対してまず「話したい」と思っていただくのが、大切だと考えています。
笑顔で挨拶するといった基本的なことに加えて、会話のなかではできるだけ、お名前を出して呼びかけるようにすると、距離感が近い雰囲気になると感じますね。
あとは、本題に入る前にリラックスしてもらえるように、アイドリングトークで話しやすい雰囲気をつくることも、意識しています。
── 専門家や経営者の方など取材に慣れている人もいますが、一般の方に接する機会も多いですよね?
片渕さん:
鑑定団だと、依頼人のほとんどが一般の方。収録現場も初めてという方が多く、すごく緊張されています。
今はコロナ禍で難しいですが、以前は共演者のみなさんより早くスタジオに入って、依頼人の方と先に雑談しながら、できるだけ緊張を和らげてもらえる環境を整えるように努めていました。カメラが回っていないところでも、番組に携わる一員としての役割を果たしたいと考えています。
『WBS(ワールドビジネスサテライト)』の「トレンドたまご」で取材した方たちも、初めてテレビの取材を受けるケースだと、緊張から話している途中で汗だくになってしまうことも…。
大きいカメラを構えたクルーたちとアナウンサーが来て、いきなりマイクを向けられると、やっぱり緊張するし、萎縮してしまいますよね。
そういうときは、「ちょっと『汗拭きタイム』にしましょう!」と、カメラをいったん止めて仕切り直すとか、取材対象者の方が少しでも話しやすい空気になるよう、スタッフと一緒に取り組んでいました。