「おばあちゃんがさ…」何げない会話でお互いの距離が縮まる
里山は、人と自然が共存しています。でも、現在では失われつつあるものでもあり、日本の学生たちも知らないことが多くあります。
「里山で3つの地域の学生が同じ経験をすると、これまで接点のなかった若者たちに共通の思い出ができます。すると、お互いのことを身近に感じるようになるはずです。
こうした体験を少しでも積み重ねることが、平和構築につながるのではないかと考えました」
文化も生活習慣も異なる日本、イスラエル、パレスチナですが、里山のくらしを経験するうちに、意外な共通点を見つけることも。
「そばを作るためにそばの実を石うすでひいていると、パレスチナ人の子が“同じような石うすがおばあちゃんの家にあるよ、麦をひくのに使っているよ”と言うんですね。
違う国でも日本と同じような文化があることを知りました。
しかも、“おばあちゃんはなんでも作れるし、知っているけれど、お母さんは何もできない”とも言っていて、それは日本も同じだねと。
こうした何気ない会話からも、地域や国籍は関係なく、人には共通項がある気づきが得られます。
外国人でも、紛争中の相手でも、まったく違う存在ではない、同じように生活を営んでいる実感があれば、互いを理解し合う一歩になると信じています」