駐在の経験が思いも寄らない活動につながった
田中さんは「もしイスラエルに駐在しなかったら、自分がこうした活動に取り組むようになることはなかっただろう」と考えています。
「いまでもときどき“夫の駐在についていかず、日本で仕事を続けていたらどんな人生になっていたんだろう?”と考えるときもあります。
でも、住む場所や仕事を好きに選べていたら、意外と選択肢が狭まっていたかもしれません。自分の興味のある分野の中からしか進む道を見いだせないからです。
夫の駐在についていくことは、なかば強制的に見知らぬ国に行くことでもあります。おかげで、自分の考えだけではたどりつかなかった新しい世界を見ることができました。視野が広がったと思います。
しかも、駐在生活はその国で暮らす期間が決まっています。だからこそ、その国でしかできない経験をたくさんしようと積極的に行動できました。出会いにも恵まれ、多くのことを教えてもらえました」
現在、夫はインドに駐在中。田中さんはインドと日本を行き来しながら、イスラエルとパレスチナの共存を目指す活動を続けています。
「人生って、思いがけないことが多いなとしみじみ思います。でも、予想外なことの連続だったから今の自分があると思うと感慨深いですね」
※上記は、田中さん個人の経験談・感想です。
文/齋田多恵 写真提供/田中恵子さん