自分を磨く時間を増やす改革を
── 今後チャレンジしたいことを教えてください。
越川さん:
世界中の企業を週休3日制にしたいですね。社内では、働き方の選択肢は増やしていきたいので、週1日「クロスリバー専属で働くAI」を雇うことも考えています。
クロスリバーではAIの自動化を独自で開発しているので、今後はスケジュール管理、アシスタント業務などを任せたいですね。そうすることで、人間でしかできないコンサルティングや相談の業務に集中できそうです。
── 週休3日制の導入を検討している企業にアドバイスをお願いします。
越川さん:
まずは週に一度、15分でいいので、自分の1週間の時間の使い方を振り返ってみてください。体重を減らしたいときには体重計にのりますよね。同じ感覚で、僕は内省の時間だと思って実践しています。そうするだけで無駄な時間が1週間で平均18%減らせます。
特に会議、資料作成、メールチャットの時間を振り返ることで効果につながります。また、100年時代と言われている今、自分を磨き続けることが必要で、週に1日は「教養の日」をつくらなければいけないと思っています。
── 教養の日ですか?
越川さん:
週休2日制を初めて実現したのは、敬愛するパナソニック創業者の松下幸之助氏ですが、松下氏は2日の休みの日は「休養と教養のため」としていました。
会社側は、週休3日制としたとき、3日とも全員が休むことを推奨するだけではなく、月1回、どんなことでも学んでいいインプットデイなど、教養の機会をつくってほしいです。実際、銀行や製造業で導入していますが、社員の満足度も高くて、会社の利益にも貢献しています。離職率も改善しているんですよ。
今やるべきは、働き方改革ではなくて学び方改革です。未来に必要なスキルを自分の意志で学んでいく。そのために1日、半日でもいいですが、学びの日をつくるといいと思います。
もし効果を感じたら月2回に増やせばいいし、それが月4回になれば、週休3日でもやっていけるということではないでしょうか。そういった学び方改革の行動実験にぜひチャレンジしてほしいです。
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越川さんがクロスリバーで実践し、広げている「週休3日制」は、感情共有で腹を割って話せる信頼関係を育てるなど、細かな工夫のうえに成り立っていることがよくわかりました。一つひとつできることから行動することで、自分ならではの変化が現れそうです。
取材・文/高梨真紀