女性の更年期は広く知られているので、アラフィフになると女性たちは「そろそろかな」と気構えができるようになっています。ところが男性の更年期は、昔から話題になっても自然と忘れさられることが多く、まだまだ定着してないようで。

結婚20年目で初めて家族を怒鳴るほど夫がイライラ

40代後半から、「なんとなく不調」な日々が続いたケイスケさん(50歳・仮名=以下同)。暑くもないのに嫌な汗をかいたり、なかなか寝つけなかったり。

 

集中力だけは人一倍あると思っていたのに、気力が続かず、仕事が滞ることが増えたそう。

 

「自分では穏やかな性格だと思っていたのに、些細なことでイラッとくる。

 

職場ではなんとか抑えていましたが、家庭では自制できず、ついつい家族に声を荒げてしまうこともあって…」

 

当時、進学校に通っていた息子が、「大学に行く意味が見つからない」と言い出したことにカッとなったケイスケさん。

 

思わず「だったら家を出て行け!」と怒鳴ってしまいました。

 

結婚して今年で20年、ケイスケさんが家族に怒鳴ったのは初めてのこと。家族から向けられた驚愕と恐怖の眼差しは今も心に残っているといいます。

 

「怒鳴ってしまった夜、妻が『どうもこのところ、変ね。具合が悪いの?それとも心配ごと?』と静かに聞いてきたんです。

 

『なぜだかわからないけど、小さなことでイラつき、それを抑え込めない。気力がないのに短気になっている』と答えました。

 

妻は『男性更年期じゃないかなあ。病院に行ってみたら?』と。この程度で病院なんてと当初は思いました」