15歳で芸能界入りし、SDN48のメンバーとしてアイドル活動を経て、現在「家電女優」として活動している奈津子さん。流産を経験するなどさまざまな苦難を乗り越えて無事出産を終えた奈津子さんに、仕事と子育ての両立とこれから取り組んでいきたいことについて伺いました。

奈津子
子育て中の奈津子さん

「もう無理、心が壊れる」と思った妊婦生活

──昨年5月に息子さんを出産していますが、妊娠中にはさまざまな苦労があったと伺っています。

 

奈津子さん:

妊娠8週目で1度目の流産をして、妊娠14週で2度目の流産を経験しました。特に自覚症状はなく、妊婦健診で赤ちゃんの心臓が止まっていますと言われて。母体側のせいではないですとは言われたのですが、赤ちゃんや夫に申し訳ないと精神的にかなりダメージがありました。

 

日本では妊娠12週以降は死産した胎児を火葬、または埋葬する必要があるので、2度目の流産では産声の無いお産をして火葬を行い、死亡届の提出をしました。

奈津子
流産後の手術をした際に、病院のベッドで横になる奈津子さん

 

夫と調べていたら2回以上の流産は不育症の可能性があると言うことを知って、夫婦で話し合って専門医を訪ねました。そしたら私の場合は、妊娠中に血が固まりやすい性質があって、赤ちゃんがお腹の中で成長するのを阻んでいる可能性があると言うことがわかったんです。

 

不育症は判断が難しいそうなのですが、その言葉自体もそれまで知らなくて。不育症の専門医に通いながら3回目の妊婦生活を送ったのですが、嬉しい反面、自分の取った行動がダイレクトに赤ちゃんに影響してしまうかもと思うと不安でした。

奈津子
妊娠中の奈津子さん

 

たとえば出産経験のある友達たちは、生モノや運動など「ちょっとくらい大丈夫」というのですが、でも私は2回流産しているし…と。良かれと思ってされるアドバイスで傷つくこともありました。妊娠中はテレビの収録などが続いて、こんなに忙しくして大丈夫かなという不安もありました。

 

コロナ禍もあって常にヒヤヒヤしながら仕事をしていると、仕事へのやりがいと妊娠への不安が衝突を起こし始めて。妊娠6ヶ月頃に、自分で抱えるのはもう無理だ、心が壊れると思うようになってからメンタルクリニックに通い始めました。

 

──クリニックに通うことで変化はありましたか。

 

奈津子さん:

心のプロに話を聞いてもらうとすごく楽になりました。

 

敷居が高いと思っていたのですが、いざ自分が話を聞いてもらうと、専門家からの知見やアドバイスをもらえて、センシティブな話も聞いてもらえる安心感がありました。妊娠の有無に関わらず、今何かに悩んでいる方がいらっしゃったら、行ってみるのもいいんじゃないかと思っています。

 

そこからは自分が好きなこと、例えば韓国ドラマを見たり、家電量販店に行ったり、趣味に没頭してリラックスすることが結果として赤ちゃんのためになるというふうに割り切ることができました。こういう時こそオンとオフをしっかりつけて、オンでずっといないことが大切なんだと。

奈津子