子どものことを考えたら「僕が面倒みます」が最善だった
── 新婚生活を味わうこともなく、いきなり別居婚を決めたんですね。しかも、アユさんを先に引き取った。簡単なことではなさそうですが…。
渡辺さん:
引っ越しの時期を妻と相談したときに、「アユのことを考えたら、年度の途中からじゃなく4月から転入させたほうがいいよね」という話になったんです。でも、家族4人で暮らすとなると、すぐにというわけにもいかなくて。それなら「もうこっちでアユの面倒はみますよ」って僕から提案しました。
── すごく勇気のいる提案だと思います。突然始まったアユさんとの「父子家庭」、最初は気まずかったのでは?
渡辺さん:
もちろん不安はありましたけど、とにかく僕に懐いてくれていたっていうのが大きかったですね。
実はアユと会う前に、どう接しようかといろいろシュミレートしていたんです。ポケットにいっぱいお菓子を詰め込んで行こう、とか。でも、思いのほかすぐに懐いてくれて。
妻とは最初は別居という形でしたが、LINEで密に連絡を取り合っていました。「アユがこんな感じだったけど、どうしたらいい? 」って聞いたりしながら、手探りでふたり暮らしをしていた感じです。
別居婚から始まった奥さんとの関係は
── 子どもたちにとって、新しい家庭が安心できる場所になったことは何よりです!ところで、ファンだったという奥さまとの関係はどうでしたか?何かと遠慮が生まれてしまいそうですが…。
渡辺さん:
妻は当時、とにかく切羽詰まった状況だったので、細かいことを気にする余裕はなかったと思います。今の環境をリセットして、一刻も早く地元を離れたほうがいいっていう状態だったので。たぶん僕に遠慮する余裕もなかったんじゃないかな。
── 結婚から5年の間に、奥さまと渡辺さんとの間にもご長男が誕生しました。もともとご自身のお子さんを希望されていたのですか?
渡辺さん:
子どもができたのは、欲しかったからというよりは自然な流れです。
僕の両親は少しホッとしたようでした。そもそも最初に結婚の報告をしたときは、はっきりとは言わないけれど、歓迎はできないという雰囲気でしたから。
結婚当時、僕が55歳で、親は80代半ば。それこそ相続をどうしようかという話をしていたタイミングでした。孫がいない前提でいろいろ考えて手続きを始めたところに、いきなりよそから来た孫ができたので…モヤモヤするのも仕方なかったと思います。
年齢的に「今さら?」っていう気持ちもあったでしょうけど、僕たち夫婦の間に子どもでできたのはやっぱり嬉しかったんだと思います。両親は育ちのいい人たちなので、上の2人もちゃんとかわいがってくれているし、子どもたちに対してちゃんと平等に接しようと意識してくれているようです。