昨年1月から「note」で連載が開始され、4000件以上の「いいね! 」を獲得して話題となったエッセイ漫画『父子家庭はじめました』。作者はギャグ漫画家の渡辺電機(株)さんです。今年4月には連載をまとめた単行本『父娘ぐらし〜55歳独身マンガ家が8歳の娘の父親になる話』(KADOKAWA)も発売されました。
ストーリーは、55歳まで独身だった渡辺さんが16歳年下の妻と結婚し、妻の連れ子のパパになるところから始まるのですが…。なんと妻より先に、長女と血のつながりのない父のふたり暮らしがスタートすることに!これが実話だというから驚きです。
今回は、そんな渡辺さんに結婚に至るまでの経緯と、長女・アユさんとの「父子家庭生活」についてお聞きしました。
夫のDVに悩むファンに「一緒に暮らそう」
── 16歳年下の奥さまとの結婚までの経緯をお聞きしていいですか。
渡辺さん:
もともと彼女は、子どもの頃から僕の漫画の読者だったんです。以前、Twitterでフォローを全員に返すという試みをしたのですが、そのなかに彼女もいて。だんだん話が合うなと感じ始め、個人的な悩みも聞くようになりました。
「夫のDVがひどい」という話をいつも聞かされて、「別れたほうがいいのに」と言っていたら本当に別れてしまって。どちらからハッキリ言うともなく、なんとなく流れで結婚することになりました。
── それですぐに入籍されたのですか?
渡辺さん:
それから1年ほど、僕が大阪に通う形で子どもたちと交流しました。アユだけ先に東京に来ると決まってからは、まだ入籍前だったので特別に「入籍見込み」という扱いで学童保育の手続きや小学校への転入の手続きなどをしました。彼女が住む大阪と、僕が住む東京の、両方の役所が連携して動いてくれて。
妻は「DV支援措置」という制度によって、元の旦那さんには現住所を知られないようになっています。それなりに子どもたちを可愛がってはいたようだけど、児童手当を使い込んだり、いろいろと問題があって。子どもがいちばん大事だから、優先して物事を進めよう、という気持ちでした。
2017年の3月に入籍したあと、東京で暮らす準備を整えていきました。家族4人で一緒に暮らし始めたのは、2017年8月末ごろです。