施術は専門医が診察する医療機関で

── 白髪になると脱毛器が反応しにくいため、50代前半までにしたほうがいい、とも聞きました。

 

慶田さん:

人それぞれ状態は異なると思いますが、かなり白髪が多くなっても黒い部分はなくせます。真っ白になるまではずっと先のことだと思うので安心してください。60代の方も普通に施術を受けていますよ。

 

本来の清潔感を保つという目的からすると、ボリュームを減らすだけでも意味はあります。お手入れもラクになるし、肌荒れのリスクも減ります。

 

── では、「介護脱毛」をする場合、気をつけたほうがいいことはありますか?

 

慶田さん:

必ず医療機関で受けてください。デリケートゾーンは生理的に黒ずみができやすく、やけどをしやすい部位ですから。また、専門医でなければ皮膚がんなど皮膚の病気を見落とす場合があります。看護師まかせのところではなく、毎回きちんと専門医の診察を受けられるところで施術を受けることをお勧めします。

 

── 「介護脱毛」に関心を持っている方、迷っている方にアドバイスをお願いします。

 

慶田さん:

私自身も経験してデメリットはほとんど考えられないので、関心がある方はできるだけ早めに施術を受けてほしいですね。

 

ただ、毛の生え変わり周期の関係で、1回の施術ですべてきれいに脱毛できるわけではないので計画を立てたほうがいいかもしれません。1か月半ごとにレーザー脱毛を受けるとして、1年から1年半ほどかけるといいと思います。

 

焦る必要もありません。ゆっくりと自分の皮膚と向き合う時間として、期間限定の習慣にしてみてください。

 

PROFILE 慶田朋子さん

慶田朋子さん

銀座ケイスキンクリニック院長。皮膚科専門医、レーザー専門医、美容皮膚科医、医学博士。東京女子医科大学医学部医学科卒業。最新の照射治療と職人的注入治療を組み合わせた、メスを使わない肌質改善をオーダーメイドで提案する施術に定評がある。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。

取材・文/高梨真紀