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社員が賞与額を決める!フォルシアの「3C制度」が頑張る人の背中を押す理由

仕事

2022.04.19

膨大なデータの中から必要な情報を的確に探し出すための技術基盤Spook®」を開発し、情報の「検索」という領域で高度な課題解決を進めるフォルシア株式会社。10年以上前から、賞与額を社員が決める評価制度を行っています。

 

「頑張った人が頑張っただけ評価されるように」とつくられたこの制度について、生まれた背景や想いを代表取締役社長の屋代浩子さんにお聞きしました。

フォルシアCEOの屋代浩子さん

代表取締役社長 最高経営責任者(CEO) 屋代浩子さん。1988年に慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村證券に入社。金融工学を利用したデリバティブの開発に携わった後、マサチューセッツ工科大学でMBAを取得。ゴールドマン・サックスにてデリバティブの開発・マーケティングに従事した後、2001年フォルシアを起業。 

フェアな評価はやりがいに直結する

── 社員が社員を評価し、賞与額を決めるという「3C制度」の特徴を教えてください。

 

屋代さん:

年に一度、決算月に会社の利益を社員に還元するという形で、賞与を出しています。そのとき、社員1人100万円をベースに、どの人にどのくらい賞与を出したいか、金額を申告してもらうんです。たとえばAさんには100万円、Bさんには250万円、Cさんには70万円というふうに。こうした社員の評価をもとにして賞与額が決められます。

 

── 人によって金額がバラバラになるのが斬新です。どんな理由でこの制度をつくったのでしょうか。

 

屋代さん:

私自身が、日系企業と外資系企業の両方でキャリアを積んだ経験が大きいです。自分がどう評価されているかは、働きがいに直結すると感じたんです。いちばん大事なのは、自分の仕事がまわりにきちんと評価されること。特定の上司に評価されないことでキャリアに希望が持てなくなるような事態を避けるためにも、フェアな組織にしたくて、2008年に「3C制度」をつくりました。

 

当時、会社設立から7年経ち、利益が出せるようになったことが嬉しくて、みんなで公平に分けるために真剣に考えた制度です。それから毎年、14回続けています。

 

利益が増えれば賞与に充てられる金額も増えます。どうすれば会社の利益を上げられるか、社員全員の経営者的な考えを育てるためにもこの制度を大切にしています。

言葉では表しにくい感覚値を金額で表現

── なぜ金額で評価することになったのでしょうか。

 

屋代さん:

言葉で評価となると、日本人は「素晴らしい」と表現しがちだと感じています。なかなかリアリティのある言葉を引き出せません。

 

また、金額であれば、「このくらい」と、言葉には表せないような感覚的な評価も出てきます。実は、思っている以上に実態が反映される効果があるんです。 

フォルシアの社内風景

フォルシアの社内はオープンな雰囲気

── 屋代さんご自身にも、実際に金額で評価されたことでやりがいを感じた経験があったのでしょうか。

 

屋代さん:

そうです。外資系の企業では、比較的ボーナス偏重型の給料をもらっていました。そのときに感じた「頑張ったらびっくりするような金額で評価される」という喜びは、「これからも頑張ろう」と大きな励みになっていました。

「この人のおかげで仕事が助かっている」も評価

── 評価するときの基準は設けていますか?

 

屋代さん:

「3C制度」の「3C」は、「Contribution」(会社への収益の貢献度)、「Commitment」(業務に対する責任感、献身度)、「Consistency」(会社への安定的関与)の略で、この3本柱をもとに評価してもらっています。

 

たとえば、小学校で1クラス30人の生徒がいたら、いちばん元気があるのは誰か、いちばん多く発言するのは誰か、いちばんクラスを盛り上げているのは誰なのか、など感覚的に人を見ることがありますよね。「この人がいるだけでクラスが元気になる」といったことがあれば、それは「Contribution」に値します。

 

Contribution」の感じ方が人それぞれ違うのを前提に、「この人がいてくれたら仕事がとてもはかどる」「この人がいてくれて嬉しい」という感覚的な思いを評価として金額で表すのです。

フォルシアCEO 屋代浩子さん

── 結果だけでなく、人間性や、その人がどう主体的に仕事に関わろうとしているかその姿勢も見るのですね。社内での反応はいかがですか?

 

屋代さん:

14回続いているので、社員からの評価は低くないと感じています。本当に頑張っている人が、社員全員に評価されて、高いボーナスが出ていたりすると、やはりやる気につながるのでないでしょうか。

客観的に自分のスキルと向き合う面談も

── 高く評価された人とは逆に、思っていたような評価を得られなかった人はモチベーションが下がることはないのでしょうか。

 

屋代さん:

私をはじめ上司や役員と面談をするなどして、どういった点が評価につながらなかったのか客観的な意見をフィードバックするようにしています。たとえば営業面での評価は高かったけれど、技術的な面での評価が得られなかった場合は、どうしたらそのマイナス面を克服できるかなどをアドバイスし、次の年のスキルアップの参考にしてもらっています。

 

── 客観的な意見をもらえて、次に活かせる仕組みになっているのですね。また、普段、あまり目立たない仕事も評価されるそうですね。

 

屋代さん:

そうなんです。「3C制度」導入後、社員の自己アピールスキルがどんどん上達しています。自分たちが達成した目標や、やり遂げた仕事を発表し合うことで、前向きなエネルギーが循環します。会社自体もワクワクした雰囲気になると思いませんか?

 

「すごいことやっているんだから、もっと自信を持って」と、社員たちには言っています。

オンライン上でも社員が活躍をアピール

── コロナ禍で働き方がリモートワークとのハイブリッドになったそうですね。「3C制度」でも課題が生まれているとか?

 

屋代さん:

週の半分、リモートワークをすることで、会議など必要なとき以外は社員同士が顔を会わせる機会がかなり減りました。その影響で、社員から「普段、一緒に仕事をしない人たちの評価がしにくくなった」という声が増えてきています。組織が大きくなってからの課題ではあったのですが、コロナ禍でさらにこういった声が目立つようになりました。

 

これは社員のアイデアから生まれたのですが、今週活躍した社員を他のメンバーが推薦し、称えあう「今週のHEROという企画があります。専用のフォームから気軽に投稿ができ、週1回の全社ミーティング「朝ブリーフィング(通称:朝ブリ)」で全体へ共有されます。この朝ブリでは売上概況やリソース概況といった会社の指標を伝える場としての側面だけでなく、部署やチーム、プロジェクト、個人の活躍が伝わるような発表のとしても活用するようになりました

 

ほかにも、部署やチームを横断して、業務上の関わりが薄いメンバー同士でランチをする「シャッフルランチ」も復活させました。そのほか、オンラインイベントを増やすなど、オンライン上でもコミュニケーションを取れるように工夫しています。

 

── これからどんな思いで社員のやりがいにつながる取り組みを進めていきたいですか?

 

屋代さん:

「フォルシアで働けることが楽しい」「メンバーに会えることが嬉しい」と社員が思える環境づくりを大切にしていきたいです。こうした思いは、会社員時代、私にとって一番の原動力でした。社員にもそう思ってもらえるような制度や環境をつくって、会社の成長につなげられたらと思っています。これからも、どんどんアクションを起こしていきたいです。

 

 

社員を金額で評価する。一見すると、冷静かつドライな印象もある「3C制度」ですが、実際は、結果だけではなく、普段の仕事ぶりや仕事に対する姿勢など目立ちにくいところにも目を届かせた評価制度だと感じました。コロナ禍をきっかけにコミュニケーションの課題はどの企業にとっても大きな壁となっていると想像しますが、フォルシアでは、アイデア豊富な工夫で「3C制度」もより進化していくのでしょう。

取材・文/高梨真紀 写真提供/フォルシア

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