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「私どうしていつもお迎え最後なの?」と泣かれて…東京電力 女性社員たちの葛藤と挑戦

仕事

2022.02.07

産後も当たり前のように働く女性が増えている一方で、多くの女性が、母として「子どもと離れてまで働いていいのだろうか」と悩みを抱える時期を経験しています。

 

東京電力グループではそんな女性社員の悩みを解決すべく、社員一人ひとりが生き生きと活躍するための制度や職場環境づくりを進めています。なかでも女性管理職の比率については2020年の5.5%から2025年度末には10%へ向上させるべく取り組んでいます。

 

結婚や育児を経験した女性たちが制度をどのように活用しているの、東京電力グループの東京電力エナジーパートナー株式会社に勤務するマネージャー職の木村千秋さん、チームリーダーの松崎智子さんにお聞きしました。

前例がなく制度利用は最低限…女性管理職の小さな後悔

東京電力・木村さん

東京電力エナジーパートナー(EP)株式会社 販売本部 お客さま営業部 くらしサポートグループ マネージャーの木村千秋さん。くらしの安心をサポートする東電EPの個人のお客さま向けサービス(生活かけつけ・機器修理)をはじめとする「くらしTEPCO」サービスの戦略立案・企画・設計・ネットワーク構築・事業運営・保険代理店事業を担当するグループの責任者として事業をリードしている。

 

── 女性管理職としてキャリアを築いていらっしゃる木村さんですが、結婚後の社員をサポートするための「結婚休暇制度」をどのように活用しましたか?

 

木村さん:

19982月に5日間、結婚式と新婚旅行のために取得しました。以前は、結婚式直後に新婚旅行に行くケースが多く、制度があったことで、1週間の連続休暇を取得しやすかったのでありがたかったですね。その後は、社員のニーズにあわせて、入籍や挙式、披露宴などのイベントが含まれていれば、簡易な申請で取得日を自由に設定できるようになったのでより活用しやすくなったと思います。

 

── 産後の「育児休職制度」は、子どもが3歳になる年度末まで取得できるそうですね。どのくらいの期間取得しましたか?

 

木村さん:

育児休職は一度、10か月間取得しました。当時、私のまわりには育児休職を取得する女性があまりいなかったので、産前も臨月まで会社に毎日出社していました。復職後も、会社には短時間勤務制度などさまざまな制度がありましたが、使ったことはありません。

 

夫は単身赴任で、両親の自宅からも遠かったので、子どもが0歳のときから保育園の延長保育を申請して出産前と同じ働き方で復帰しました。子どもが病気のときは、親にサポートしてもらって出勤していましたが、今振り返ると、体力を過信し、少し日々の生活に無理をしていたように思います。

「私どうしていつもお迎え最後なの?」娘のひと言が胸に刺さった

── 仕事と家庭の両立を維持するなかで、何か思い出に残っていることはありますか?

 

木村さん:

最近、在宅勤務が進んだことで娘と過ごす時間が増えたのですが、帰宅時に親がいて一緒に過ごすなかで、娘が安心している様子を見るにつれ、「幼い頃にもっと一緒にいてあげたかった」と思うことがあります。

 

小学校に入学した当時、「ママはどうしてお仕事に行くの?どうしていつも私はお迎えが最後なの?」と泣かれたことがありました。今の娘は記憶にないと言いますが、覚えていないのではなく、彼女なりの親への気づかいなのだろうと思っています。

 

ただ当時は「子どもがかわいそうだから、私は大人になったら働かない」と言っていた娘が、今は将来目指す姿を思い描き、就きたい仕事に向けて勉強しています。その姿を目にして、働き続けた背中を見せたことは無駄ではなかったと思いましたし、これからもそう信じたいです。

「後輩には制度を活用して、仕事も育児も楽しんでほしい」

── 自分の子育てが子どもにとって良かったのかは、子どもが大人になってからでないとわからないとも聞きます。でも、お子さんはきっと、木村さんの背中からお子さんへの愛情もしっかりと感じ取っていたのでしょうね。

 

木村さん:

そうだと嬉しいです。私の時代と比べて今は、働き方改革や企業努力の積み重ねで当社の制度もずいぶんと充実しました。何より私たち管理職が子育て家庭の事情を理解し、前向きに推奨していますので、取得しやすい環境にあると思います。

 

結婚や育児に関する制度は、ちょうど仕事を任され始め、働き盛りといえる時期に取得することになるケースが多いと思います。でも、家事や育児との両立は決して簡単ではありません。これから制度の取得を考えたい人は、まず何を優先したいのか、家族と相談しながらよく考えてほしいですね。

 

── 優先したいことが決まると、さまざまな面で判断が早くなりそうです。

 

木村さん:

そうですね。いくつかの業務を同時に考え、効率的に仕事を進められるように工夫することは家事に似ているところがあると思います。自分の一方的な考えだけでは上手くいかない面でも、育児とマネジメントは似ている気がします。

 

仕事と子育ての両立を大変と思わず、日々その変化や違いを楽しんでほしいし、両方で得たノウハウを活かすくらいの気持ちでやってみてほしいですね。慣れてくるとオンとオフの切り替えが自分と家族のなかで当たり前になり、生活サイクルがいい形で回るようになるはずです。

7日間の「結婚休暇」で仕事の向き合い方も前向きに 

── つづいて松崎さんに伺います。「結婚休暇制度」をどのように活用しましたか?

 

松崎さん:

2000年9月に10日間取得しました。結婚休暇制度は基本的に7日間取得できるので、残り3日間は有給休暇を取って、旅行や新居の準備に活用しました。

 

結婚休暇制度を取得した時期は、まだ入社3年目でした。当時は「仕事も半人前なのに、長期休暇を取得して大丈夫かな」と不安に思ったのを覚えています。

 

ただ、職場の方たちが快く送り出してくれたおかげで、休暇明けはいつも以上に前向きな気持ちで仕事に向かえました。私も、結婚休暇制度を利用する後輩たちには、「休暇制度は遠慮なく活用して、また元気に仕事に戻ってきてね!」と送り出しています。 

東京電力・松崎さん

東京電力エナジーパートナー株式会社 CX向上室 カスタマーリサーチG VOCチームリーダーの松崎智子さん。顧客体験向上を目的としたお客さまの声の分析、カスタマージャーニー等による顧客の実態・ニーズ把握、お客さま目線での広告物文言・WebUX改善提案などを行っている。

復職後は悪戦苦闘も「ママのように働きたい」と言われた嬉しさ 

── 産後の「育児休職制度」はどのくらいの期間取得されたのですか?

 

松崎さん:

長女のときは10か月、次女のときは1年半取得しました。育児休職中は悪戦苦闘しながらもわが子とゆったり向き合える貴重な時間でした。振り返ると、一番ゆったりと生活していた期間だったと思います。

 

復職後は母乳や離乳食、反抗期など、育児の悩みは会社のママ同士で話し、励まし合いました。ママ社員たちと熱々のランチを1時間も使って食べられることに感動を覚えましたし、仕事と育児の両立の大変さも喜びもたくさん味わえたかけがえのない時期でした。

 

ある日、娘たちが「私もお母さんになったらママのように仕事をしたい!」と言ってくれたのです。そう言われたときは、雨の中傘もさせずに走る姿も、子どもを寝かしつけながら自分が先に寝落ちする姿も、ありのままの母親の後ろ姿として子どもに見せたことはよかったのかなと、しみじみ思いました。

 

── 仕事と家庭を頑張って両立し続けてきたからこその喜びなのでしょうね。

 

松崎さん:

そうですね。育児休職のような制度は、社員全員が仕事と家庭をバランスよく両立するために最大限活用してほしいです。長い会社生活、いつも同じ速度では進めません。ゆっくり歩くときも、全力で走るときも、ときにはロングバケーションも必要です。みんながライフスタイルに合わせた制度を利用しながら、充実したプライベートを送り、生き生きと仕事をしてほしいです。

【会社概要】
社名:東京電力ホールディングス株式会社
設立年月:1951年51日(201641日 商号変更)
事業内容:電気事業を中心とする事業

社名:東京電力エナジーパートナー株式会社
設立年月:2015年4月1日
事業内容:小売電気事業、ガス事業等

取材・文/高梨真紀 画像提供/東京電力ホールディングス

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