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わずか0.9%だった女性管理職を10倍へ 東京電力「組織を変える本気の取り組み」

仕事

2022.02.03

2022.02.06

人生100年時代といわれ、長く働き続けることが当たり前になろうとしている昨今。2006年から女性の活躍支援やワークライフバランスの推進、またコロナ禍をきっかけに新しい時代の働き方をつくる働き方改革を進めているのが、東京電力グループです。

 

特に女性管理職の比率をアップするための取り組みについて、東京電力ホールディングス株式会社 組織・労務人事室の鳥飼友美(とりかい ともみ)さんに伺いました。

東京電力・鳥飼さん

東京電力ホールディングス株式会社 稼ぐ力創造ユニット 組織・労務人事室 活力向上グループ マネージャーの鳥飼友美さん

仕事と家庭の「前向きな両立」を全力で支えたい

── 御社が女性社員の活躍推進に取り組み始めた15年前は、まさに女性が結婚や出産を経ても以前と同様に働ける環境づくりの重要性が叫ばれた時期かと思います。そして今や、女性管理職の比率は2009年の0.9%から2020年には5.5%にまで向上しているそうですね。どのようなことをポイントに取り組まれたのでしょうか。

 

鳥飼さん:

育児などのライフイベントを迎えた女性社員が、仕事と家庭を両立できることに重点を置いて、環境整備をしてきました。

 

たとえば、短時間勤務などの制度を使いやすくするのはもちろん、女性が出産後も望むキャリアアップを実現するにはどうすればいいかを議論し、環境整備を行ってきました。

 

まず、男性の比率が大半を占めていた職場で意欲ある女性社員を積極的に登用しました。あわせて、すべての職場を対象に、女性社員一人ひとりに合った多様な職務を経験できるようにしました。現在、ライフライン設備の維持・管理から営業など、多様な職場で、さまざまな社員が働いています。

女性管理職の比率を2025年度末までに10%へ

── 女性が多様な職場で活躍できるような工夫を進めているのですね。キャリアアップについては「管理職は責任が重くあまり担いたくない」と考える女性も少なくないと聞きます。そういった女性の意識に働きかけるような取り組みをしているのでしょうか?

 

鳥飼さん:

女性社員を対象にしたキャリア・ライフプランに対する意識醸成のための機会をつくっています。たとえば、女性のキャリア開発を目的としたセミナーの開催やマネジメントスキル向上のための研修などを定期的に開催しています。

 

また、上司がフォローをしながら、管理職を担うことについても前向きにチャレンジできるように働きかけています。そういった日々の積み重ねで、管理職の女性社員たちは、職場の仲間や上司と信頼関係を深め、高いモチベーションを維持しながら仕事と向き合っている印象が強いです。

 

── グループ各社全体での女性管理職比率について2025年度末までに10%とする計画を立てているそうですね。5年間で4.5%増を目指すわけですが、実現のためにどんな取り組みを進めていますか?

 

鳥飼さん:

社員がみずからすすんで挑戦や選択がしやすくなるための研修を積極的に行う予定です。また、女性社員を対象としたキャリア・ライフプランに対する意識醸成の機会も増やして、目標を達成したいと思っています。

 

── 育休取得など結婚や出産を経た社員の活躍をサポートする制度について、課題となっていることはありますか?

 

鳥飼さん:

女性の育休取得については100%(2019年度末時点)とすでに取得率も高く、大きな課題はないと思っています。一方で男性の育休取得については、取得率を含めて、まだ社内で定着しているとはいえない状態にあります。

 

20216月に改正された育児・介護休業法が202241日から段階的に施行されますので、現在は、それにあわせて、社員の意思を職場が受け止めやすくする取り組みを具体化しているところです。

時間や場所、組織にとらわれない働き方を実現したい

── 最近の取り組みとして、グループを挙げて在宅勤務を推進されました。こうした動きから、社員の働く環境に何か変化は見られましたか?

 

鳥飼さん:

はい。在宅勤務におけるフレックス勤務のコアタイムの撤廃や、サテライトオフィスの導入、在宅勤務用のシステムの環境整備等を実施したのですが、これまで以上に仕事と家庭の両立がしやすい環境になっていると思います。

 

2020年、グループ内で行ったアンケートでは、在宅勤務をきっかけに「通勤のストレスがなくなった」「時間を有効活用できた」といった声が多かったですね。通勤の時間を家事や家族と過ごす時間に充てられるなどの声も多く聞かれました。

 

── 大企業が社員一人ひとりの働きやすさを実現するためには解決に時間がかかることもあると思います。今後はどんな方針で取り組みを推進していきたいですか?

 

鳥飼さん:

そうですね。現在、「いつでも どこでも 誰とでも」をキーワードに、時間・場所・組織にとらわれない仕事と働き方を実現するための取り組みを進めています。社員一人ひとりが、その時々の状況に合った多様な働き方を選択できるよう、制度面、システム環境面、業務改革面から具体的な取り組みを検討しています。

 

これからもますます一人ひとりが自己実現できるように、新しい働き方が可能になるようなサポート体制をつくっていきたいです。

 

 

女性管理職の比率を2009年から2020年の9年で0.9%から5.5%へと向上させ、さらに2020年から2025年度末までの5年で10%にするという、高い目標値を掲げる東京電力グループ。価値観やライフスタイルが多様化するなか、事業や組織を牽引する女性管理職をどう増やしていくのか、これからも注目していきたいと思います。 

【会社概要】
社名: 東京電力ホールディングス株式会社
設立年月: 1951年51日(201641日 商号変更)
事業内容: 電気事業を中心とする事業

取材・文/高梨真紀 写真提供/東京電力ホールディングス

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