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週3日でも正社員!?エグゼクティブ「フリー正社員制度」に迫る

仕事

2021.09.27

共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。


今回は法人専門の営業代行を行っている株式会社エグゼクティブ(内山隆社長・東京都中央区)さんの「フリー正社員制度」を取り上げます。勤務日数や勤務時間を社員が自分で選択し、柔軟な働き方を実現しています。

 

人事プロジェクトリーダーの田中淳子さんと広報プロジェクトリーダーの鈴木はるなさんにお話を伺いました。

鈴木はるなさん(左)と田中淳子さん(右)

「週3日でも正社員」が生まれた背景

── 子育て中の母親が社員の8割と聞きました。フリー正社員制度とはなんでしょうか?

 

田中さん:
働く場所、時間を自分で選ぶというものです。当社では2013年より、勤務時間に関わらず、責任を持って勤務でき、正当な評価が受けられる働き方の仕組みづくりを始めておりました。

 

2018年にはパート、時短勤務の社員を無期雇用化し、フリー正社員制度として運用を始めました。働き方は大きく3つあり、フルタイム、時短、週3から選びます。週3日勤務でも正社員ですし、お子さんの年齢や理由、社員の性別に関係なく選べます。勤務時間は評価には影響しません。

 

── どうして週3日勤務やテレワークなど導入することになったのでしょうか。

 

田中さん:
もともと、主婦でお子さんがいて、ヨガの先生もしているパート勤務の方がいらっしゃいました。とても活躍してくださり、お客様も喜んでくれていて、働く日数や時間に制約があっても、次も営業を頼みたいと言われていました。

 

そのことから、「長く働くことだけが成果につながるということではない」「時間や働き方に関わらず、お客さんに喜んでもらったのならば、それを正当に評価することがよい」という発想が生まれ、さまざまな働き方が増えていきました。女性は出産、育児で退職せず、100%産休、育休を取得し復帰しています。法人営業で珍しいかもしれませんが、現在、社員の9割は女性です。

社内の様子

1か月単位で働き方を変えられる

── 鈴木さんの働き方もフリー正社員としていろいろ変えているそうですね。

 

鈴木さん:
はい。5回ほど勤務形態が変わっています。勤務時間が短くなったら重要な業務を任せてもらえないということはないので活用しやすいですね。フリー正社員制度がなかったら、どこかのタイミングで離脱していたかもしれません。

 

まず、2015年に入社した際、1歳の子がいました。以前は美容師だったんです。入社時は営業職で週5日、9時半〜16時勤務をしていました。仕事と育児のバランスがつかめて、もう少し働きたいと人事に相談。勤務時間を延ばしました。

 

その後、2017年に第二子を妊娠。つわりが重い時期は勤務日数を減らしました。また、産休・育休を経て復職した際も、家庭に向き合いたいと思い、週4日、10〜16時勤務を希望し、広報部に配属されました。

 

今年4月に長女が小学校に入学したので、週5日、勤務時間を9時〜17時に変更しました。まずは1か月挑戦してみて、両立が難しければ組み直そうと。

 

フリー正社員制度では、1か月単位で働き方を変更できるので、非常に助かっています。

 

── いろいろと変わっているんですね。

ピラミッド型から小さい円の組織へ移行が成功の秘訣

── とても柔軟で驚かされますね。

 

田中さん:

プロジェクト単位でチームで仕事をしていることが支えていると思います。ピラミッド型の会社組織をやめて、目的ごとに円を作るようにプロジェクトを組むようにしています。

 

ひとつのプロジェクトにはフルタイム、時短勤務、週3日勤務と、いろいろな人が参加しています。プロジェクトは同時に複数走っていて、若手も含めて各自がどこかのリーダーになっています。「プロジェクトリーダー制」ですね。

 

プロジェクトごとにこまかく支え合う体制ができているので、お互いをカバーしやすいのだと思います。また、若いうちからリーダーとしての経験を積めることが、個人の成長にもつながり、働きやすい環境作りに結びついているのかと。

 

鈴木さん:
私も入社後、子どもが熱を出した際、初めはそんなことで仕事は休めないと思っていました。ただ、同僚から「この会社は違うよ」と言われて。「クライアントとの約束がある」と困惑して相談すると「私たちに任せて」と言って、休ませてくれました。

 

「今回はごめんね」「お互い様だよ」と言い合える環境になっています。チーム内で仕事を共有しているからこそだと思います。

 

── 運用面で課題はありませんか?

 

鈴木さん:

メンバー全員が体調不良などで予期せぬ連休が重なったりした場合は、当然スケジュール通りにはいかなくなることも。そのため、いつどのような状況になっても現場が混乱しないよう、業務を前倒しで進めたり、日々の共有や声掛けは欠かせません。

 

プロジェクトリーダー制度では、複数のプロジェクトに関わっている、つまり、お互いの状況が把握されているので、イレギュラーな事態では、他案件のメンバーがヘルプに動員されるなど、瞬発力のあるフォロー体制が組まれるようになっています。

個人に対応した働きやすい環境づくりが求められる時代

── 社員ごとに働き方が異なるのも面白いですね。

 

田中さん:
社員35人がばらばらな働き方をしています。フリー正社員制度は、ひとり一人に寄り添って作っていった形です。

 

週3勤務、時短勤務、フルタイムがそれぞれ約3分の1ずついます。社員の8割は小さいお子さんがいますね。

 

ライフイベントで働き方を変えられることを好んで転職してきた人もいます。親の介護、妊活中の方など理由はさまざまですね。

 

他にも「SHIP」というトレーニング制度をしていて、3か月に一度、社長と社員が1on1ミーティングをしています。当社が目指す「良いモノが売れる社会」に共感し、社員それぞれが目標を立て、社長がトレーナーとなって目標実現を目指す仕組みです。

 

会社の目標はもちろんですが、現役を引退した後、何をしたいかといったことも話し、今の仕事に向き合うようにしています。

 

── コロナ禍でテレワークが広がったことで、プロジェクトリーダー体制でフォローしきれないような課題は生まれてませんか。

 

田中さん:
社長が社員からの匿名の質問に答えるラジオ風の取り組みをしています。そのほか、オンラインでランチ会を開いたり、在宅勤務の心得の研修もしています。

 

また、テレワークが普及したことで、本社オフィスを「仕事をする場」から「コミュニケーションをとる場」に変えようと、社員のDIYでカフェ風に改装しました。

本社ロゴ

事情があっても働き続けられる社会をつくりたい

田中さん:
他にもいろいろな制度があります。

 

「サバティカル制度」もその一つ。1か月など少し長い期間お仕事を休み、勉強やリフレッシュにあてるというものです。働く人の声を拾って制度を作っています。

 

社長自身が「何かの事情があっても働き続けられる社会をつくりたい」と強く思っていることがさまざまな制度に現れているのかもしれません。

取材・文/天野佳代子 写真提供/エグゼクティブ

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