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ヴィスの社長・役員が新卒社員と週4回「ひよこミーティング」を実践する理由

仕事

2021.09.18

共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。

 

「はたらく人々を幸せに。」というフィロソフィーのもと、「はたらく」をデザインする株式会社ヴィス。新入社員向けの教育として、入社後1年間、社長や役員と週4回の「ひよこミーティング」を行っています。

 

社長と社員が直接話す時間を毎週つくるという、珍しい習慣を続けているヴィス。なぜこうした取り組みを始めたのか、またどんな効果を生んでいるか、広報の福田紗弥佳さんにお聞きしました。

管理本部 業務・戦略部 広報・IR担当の福田紗弥佳さん。2018年、株式会社ヴィスに中途入社。入社後の「にわとりミーティング」で毎日社長と直接話せる時間があることに衝撃を受け、以降ヴィスのカルチャーをより多くの人に知ってもらうべく広報活動に邁進している。

新入社員が社長や役員と直接話す「ひよこミーティング」とは?

── ヴィスでは、新卒社員に対して1年間、社長と役員が定期的にミーティングを行うと聞いて驚きました。具体的な内容を教えてください。

 

福田さん(ヴィス):

新卒1年⽬の社員を「ひよこ」と呼び、⼊社後1年間、社長と週2回、役員と週2回、毎回30分程度のミーティングを⾏っています。内容は、新卒社員が①仕事や会社についての質問をする、②自分の仕事や最近の出来事についてスピーチをする、のいずれかを順番に話しています。

 

その後、新卒2年⽬になると「ひなミーティング」という名前になり、1週間に1度、社長と同様のミーティングを行います。

 

また、 中途⼊社社員は「にわとりミーティング」として、⼊社から3か⽉間、毎朝、社⻑とミーティングを⾏います。内容は、①会社や社長についての質問をする、②ヴィスが定めるクレド(約束)の内容について理解を深めるディスカッションをする、の2つです。

ヴィス オフィス

── 新卒社員は社長と週2回、中途入社社員は3か月の間、毎朝、直接話せるのですね。なぜ行っているのでしょうか。

 

福田さん(ヴィス):

⼊社後、会社に対する理解を深め、理念を浸透させるためです。 ほかにも、会社に対する疑問や仕事の悩み、プライベートのことなど何でも話すので、仲良くなりやすいという面もあります。社長が社員一人ひとりを覚えているので、ミーティング終了後も相談や雑談をして、コミュニケーションをとる社員も多いです。

「自分で社員教育をしたい」。社長の想いからスタート

── これらのミーティングはどういったきっかけで生まれたのですか?

 

福田さん(ヴィス):

ヴィスでは、2008年頃から新卒社員の採用を開始しました。 新卒社員向けの入社研修を行う際、社長には「みずから教育をしたい」という想いがあったんです。外部委託などには頼らず、社長自身でできることを考えたときに、理念や会社のことを伝えることが最も適していると結論づけ、「ひよこミーティング」を開始しました。

 

当初は社長が毎日実施していました。新卒社員の入社後1年間を目安に続けていたのですが、「急にやめるのではなく、その後も話す場を持ちたい」という想いが生まれ、入社後2年目の社員には、週1回の「ひなミーティング」となりました。

 

また、もともと新卒社員教育のために行っていたこのミーティングを、その後、中途入社社員のためにも「にわとりミーティング」として導入しました。

 

── 各ミーティングで理念などを伝えるときに大切にしていることはありますか?

 

福田さん(ヴィス):

ヴィスでは、「はたらく人々を幸せに。」というフィロソフィー(企業理念)をはじめ、お客さま、会社や仲間に対して「あるべき姿」を示した22条の行動規範を「クレド(約束)」としてまとめています。

 

具体的には、「人として何が正しいか常に意識し行動の基本とする」、「相手の立場に立ちいかに喜んでもらえるかを常に考え行動する」などがあるのですが、こうした想いへの理解を深めてもらうためにミーティングを大切にしています。

 

会社の価値観を共有することで、「人材教育」にもつなげています。ヴィスの事業は、「オフィスデザイン、働き方や場のコンサルティング」という目に見えにくいもののため、「人」が何よりも重要です。この毎日の理念教育を通して、「人間力」を高めるきっかけ作りができればと思っています。

ヴィス 東京オフィス内サロン

社長と直接話すことで課題の早期解決を実現

── 社長と毎週話ができる場があるのは、とてもユニークな制度だと思います。

 

福田さん(ヴィス):

社長が毎朝時間をつくっていると説明するとよく驚かれます。ただ、それだけこの時間を重要視しているんです。

 

また、スタートしたころは社員も数人だったのですが、現在は新卒社員が約20名、拠点も3か所になり全社員で200名を超えました。そのため、一人ひとりが話す時間は短くなりましたが、内容や方法を工夫して全員が話せるようにしています。

 

── 経営者や役員が、入社した社員に直接、経営理念や指針について伝えることで良い効果は生まれましたか?

 

福田さん(ヴィス):

はい。大きく2つあります。1つは、悩みの早期解決につながることです。新卒社員にとっては、日々の業務でわからないことや悩みを直接、社長や役員に相談できる場となっています。

 

他の同期メンバーからの質問や話も聞ける場にしているので、共感できることが多く、疑問や悩みが解決しやすい関係が育っているようです。困ったときに一人でためこまず、すぐに相談できる相手がいることは、働きやすい環境づくりにもつながっていると思います。

 

もう1つは、話す練習の場にもなっていることです。「ミーティング」では、ひとり約30秒程度で話す時間をつくっています。そのため、自分の話を簡潔にまとめる練習、その場で臨機応変に対応して話す練習をする場としても役立っています。仕事でクライアントの社長などと接する場では、臆することなく話す社員も多いんですよ。

── 社員の成長につながっているのですね。

 

福田さん(ヴィス):

社長としても、直接社員と話す機会をもつことで仲良くなれるのが嬉しいようです。刺激されるほか、新しいアイデアが生まれる場にもなっていると話しています。

 

参加している社員同士の絆も深まります。私は中途入社なのですが、特に中途入社社員は同時に入社する人数が少ないため、同じ立場で相談ができるメンバーがいないという課題がありました。でも、3か月間のうちに入社する社員とは「同期」のような関係性を築くことができ、同じような悩みがあるので相談しやすいです。

 

それぞれ東京・大阪・名古屋の各オフィスをつないだテレビ会議で行っているため、拠点を超えた繋がりをもてるのも、仕事の依頼がしやすいなど課題解決につながっています。 

ヴィス テレビ会議の様子

社長が悩みの相談相手に。リーダーの想いを知るきっかけにも

── 実際に「ミーティング」を受けている社員の反応はいかがですか?

 

福田さん(ヴィス):

新入社員からは、「毎日役員の方々と近い距離でコミュニケーションを取れることで、社内の方々とのコミュニケーションが取りやすくなっている」との声をもらっています。

 

そのほか、こんな声もあります。

社長や役員の方には、小さな悩みから真剣な悩みまで相談にのってもらいました。新人としてワークスタイルの土台をつくっていくために参考になることしかなく、とても良い環境をつくってもらっていると感じています。

社長や常務と毎日コミュニケーションを取ることで、会社を引っ張っていく方々が日々どんな思いでいるのか、新入社員の時はどんなふうに頑張っていたのかを知ることができています。今、自分ができること、すべきことを明確にすることにつながっています。

価値観を共有しながら、社員の働きがいを高めていきたい

── 社長や役員が、日々社員たちと心を開いてコミュニケーションを取っている様子がうかがえます。この「ミーティング」について何か課題はありますか?

 

福田さん(ヴィス):

社員数の増加や環境の変化などで、制度開始当初に比べると一人ひとりにフォーカスする時間が減っている点は課題に感じています。ただ、限られた時間の中でも工夫しながら、各ミーティングは継続していきます。

 

理念やクレドを共有したメンバーで働くことは、一人ひとりの働きがいを高めることにつながると考えているからです。

 

社長が自ら社員教育に力を入れる点や、「はたらく人々を幸せに。」というフィロソフィーをはじめとするクレドを大事にする点も、今後も変わらず続けていきたいです。

 

また、今年から「ココエル」という組織改善のためのサーベイを提供し、自社でも実施しています。これは、社員の心身の健康状態やエンゲージメントをはかることができる測定機能です。各ミーティングでの会話を通した課題解決に加えて、「ココエル」でのデータ把握を通して課題を可視化することで、より働きやすさにつながる対策・改善を行っていきたいです。

 

 

ヴィスの取り組みは、継続することで、立場を超えて、話しやすい・相談しやすい関係性を育てる、新しい視点での社員教育になっているのだろうと感じました。リーダーたちの考えに直接触れることで、社員の大きなやりがいにもつながるのではないでしょうか。

【会社概要】
社名: 株式会社ヴィス
創業年月日: 1998年4月13日
業種: 建設業
事業内容: デザイナーズオフィス事業等

取材・文/高梨真紀

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