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出産立ち会いだけじゃ足りない「妻出産休暇」を導入したリクルートマネジメントソリューションズの想い

仕事

2021.08.30

共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。

 

今回は「男性版産休」が国会で成立し話題になる前から、同様の制度を導入してきた株式会社リクルートマネジメントソリューションズの取り組みを取材。

 

2018年から運用されている「妻出産休暇」制度について、人事の立花則子さん、初山智美さん、広報の岩本宏子さんに伺いました。

リクルートマネージメントソリューションズ_エントランス

「産後夫婦に必要なこと」を検証して生まれた

── 「妻出産休暇」制度とは、どのような制度ですか?

 

立花さん:

これは、妻の出産当日または出産予定日からお子さんの満1歳の誕生月末日までの期間で、20日間の有給の休暇を取得できるという制度です。1日単位の取得も可能です。全従業員を対象としており、利用にあたって、入社何年以上という制約もありません。

リクルートマネージメントソリューションズ人事立花さん人事 立花さん

2018年に本制度を導入しました。以前より、妻の出産時に利用できる有給の休暇はありましたが、3日程度でしたので、“それでは短い”という声も聞こえていました。

 

実際に社員の話を聞いてみると、この休暇に有給休暇を合わせて、出産立ち合いや入院付き添いをしていることがわかりました。

 

出産・育児について、夫ができることはたくさんあります。

 

里帰り出産から戻ってくるときの付き添いや、健診、予防接種のための外出などもそうですが、そういった予定のある日だけでなく、妻が休息をとるために夫が育児を担うなど。

 

社内のヒアリングからニーズを吸い上げ、検討した結果、出産から1年という長い期間で、1日単位でも分割して取得できる柔軟性の高い制度をと考え、「妻出産休暇」制度が誕生しました。

1日単位・事前申請不要の使いやすさ

—— 本当にその通りですよね。産後を夫と過ごせるのは心強いです。社内の反応はいかがでしたか?

 

立花さん:

好評です。一番の魅力は1日単位での取得が叶うことでしょうか。まとめて取る人、毎月2〜3日ずつ取る人とさまざまで、各自のライフスタイルに合った形で利用されています。

 

実際、この分割取得によって、業務との調整がしやすかったという声がたくさん届いています。子どもの健診や、妻のリフレッシュのためなど取得目的も多様になってきています。

 

初山さん:

事前申請がいらないのも大きな魅力の一つです。

 

1週間以上連続で休暇を取得する際には、人事への事前申請は必要ですが、1日単位での取得には必要ありません。

リクルートマネージメントソリューションズ初山さま人事 初山さん

取得率70%の秘訣は“社外体験を推奨する風土”

—— 取得率は70%を超えているそうですね。取得者が増えると、利用する必要のない社員から「不公平だ」「仕事のしわ寄せがくる」といった声も出そうですが…。

 

立花さん:

そういった声はあまり聞きません。むしろポジティブな声の方が多いですね。

 

弊社の若手男性社員からは、「いずれ子どもができたら育児に積極的に関わりたい」という声をよく聞きます。制度を利用する先輩の姿を見て、ロールモデルにしているようです。

 

岩本さん:

私は他社から転職して広報として働いていますが、弊社はとても「個を尊重する」企業風土だと思うんです。

 

また、制度運用がうまくいっているのは、成長を重視する企業風土も大きく関係していると思います。

 

弊社は一人ひとりの社員が「社会体験を充実させることでプロフェッショナルとして成長し、新たな価値を生み出す」ことを望ましいと考えています。

 

社会体験には、仕事以外に、学習や家庭、地域活動なども含みます。育児や介護をしている人だけが優遇されるのではなく、大学院やセミナーといった学習や、ボランティアなどへの参加も推奨し、応援してくれます。

 

社員が「今日は社外セミナーに行くので早めに帰ります」と言えば、他の社員は快く見送り、必要に応じてフォローアップに取り組む姿勢が根づいています。

リクルートマネージメントソリューションズ広報岩本さん広報 岩本さん

 

——会社自体に制度を利用しやすい雰囲気があるんですね!

 

岩本さん:

「妻出産休暇」制度を利用した男性社員からは、「上司から、取得しないの?と声がけされた」、「既に制度を利用していた先輩に、この制度のことを教えてもらった」という話も聞いています。

 

一般的に、男性は「育児を目的とした休暇が取りづらい」と感じているといわれています。弊社でそういう声をあまり耳にしないのは、制度を利用した経験をもとに、後輩に積極的利用を勧める先輩たちの存在も大きいように思います。

 

初山さん:

オープンな社風であることも、不平が出ない一因だと思います。弊社は従業員全員が、自身のスケジュールをイントラネットで公開しているのですが、男女を問わずスケジュールに“保育園送り”と記載されていることはよくあります。

 

立花さん:

この制度を企画しているときに私たち人事が話していたことは、「この制度は、他社で働く女性へのエールだね」ということでした。弊社にも社内結婚をしている社員はいますが、多くの社員の奥さまは他社で働いている方たちです。

 

弊社の男性社員が休みをとり育児に参加することで、他社で働く奥さまたちの気持ちが少し楽になったり、夫や家族とともに育児を楽しむ心のゆとりが生まれたり、そんな支援につながるといいなと思っています。

 

仕事は人を大きく成長させてくれるものですが、仕事以外のさまざまな社会体験も私たちを成長させ、心を豊かにしてくれるものだと思います。自分の状況に合わせて活用できる柔軟性の高い制度が、その支援になればと考えています。


 

「妻出産休暇」制度は、夫婦でともに子どもと向き合う時間を取得できる制度。共働きがスタンダードになる社会において、本来あるべき姿を支援してくれるものだと感じました。

 

【会社概要】
社名:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
設立年月日:1989年
業種:経営・人事コンサルティング
事業内容:人材採用、人材開発、組織開発、制度構築

取材・文/名塚千佳子

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