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子どもの「性」を守るため、親が知っておくべきこと【思春期編】

仕事

2018.05.30

2019.11.30

望まない妊娠、児童ポルノ、JKビジネス、デートDV…。現代の思春期の子どもたちは、さまざまな性被害の危険にさらされています。

「うちの子は夜中にうろついたり、悪い友だちとつきあったりしてないから大丈夫」だと思っていませんか? その認識は少し昔、親世代が子どもだった頃の話。いまの子どもたちの「性」を守るには、別の認識が必要です。

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「思春期」の子どもたちの状況を把握していますか?

子どもが成長して思春期に入ると、急に大人びてきて反抗的な態度をとるようになったり、口をきかなくなったり。

片時もスマホを手放さなかったり、夜遅く帰ってきたりするようになると、親も不安やとまどいを感じてしまい、つい子どもと衝突してしまう場面も出てきます。

ただでさえコミュニケーションをとるのが難しいこの時期。子どもの「性」に関することを把握しにくいのはもちろん、ほとんどの親子が「性の話はしたこともない」という現状なのではないでしょうか。

心と体に大きな変化が訪れている思春期だからこそ、親は子どもを尊重して見守りつつ、子どもが自分で正しい判断ができるように情報を与えることが大切です。

ではいったい、何をどう教えたらいいのでしょうか?

妊娠・避妊の話は中学生のうちから

中高生になると、親と一緒にいるよりも友だちとの時間の方が大事になり、なかには異性の友だちとつきあう子もでてくる時期。スマホを持つようになり、SNSにふれることももはや避けられません。

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今、学校教育の現場では「避妊の教育は、性行為を助長するおそれがある」といって反対する声もありますが、望まない妊娠や人工中絶などで体を傷つけないよう、中学生のうちから避妊の仕方も含めた「性教育」をする必要がある時代になってきているように思います。

学校で教えてくれないのならなおさら家庭において、妊娠のこと、避妊のこと、万が一望まない妊娠をしてしまったときの対処など、一度は子どもにきちんと話をしておくようにしたいもの。

そして、傷つけられそうになったときには、相手に対してきちんと「NO」が言えること。これが、自分を守るために最も大切であることを伝えておきたいものです。

スマホのルールを家庭で決めておこう

心配だからといって、子どもの交友関係にまで過保護、過干渉になることは避けたいものですが、やはりスマホの扱いにだけは親も注意しておくことが必要です。

スマホなどで「自画撮り」した裸の画像をネット上などにさらされる「児童ポルノ」の被害者は中学生が最も多く、そのほとんどがSNSなどを通じて知り合った見知らぬ相手からの被害です。

ちょっとしたお小遣い稼ぎになるなどの気軽な気持ちで、いたって普通の子どもたちが画像を送ってしまうケースも多いとのこと。ネット上にいったん流出してしまった画像は、完璧に削除することが難しいことも、子どもに教えておくべきです。

そのほかにも、スマホを利用するときのルールを決めたり、どんな危険があるかを話し合っておくのもいいでしょう。特に下記の4つは必ず約束してください。

【子どもに守らせたいルール】

SNSに個人情報を書きこまない。
SNSで知り合った人に会わない。
SNSで知り合った人に裸の画像を送らない。
④有害サイトは見ない(接続できないようフィルタリングを設定する)。

 

「自分を大切にする」「相手を尊重する」ことを教える

高校生にもなると、恋人と親密な関係になる機会もぐっと増えるものです。そんななか最近よく耳にするのが、高校生や大学生に多い「デートDV」の被害について。

これは、恋人など親密な関係にある人から、言葉で傷つけられたり、暴力を受けたり、行動を制限されたり、性的暴力を受けたりすること。

「束縛するのは愛があるから」「男は強引なくらいのほうがいい」「女は従順であるべき」などの思いこみがどちらかにあると、気づかないままストーカー被害などの深刻なケースに発展することも。

そうした被害を防ぐため、高校生や大学生を対象に「デートDV」や「セクシャル・コンセント(性的同意)」について啓蒙する取り組みが、いま活発に行われています。

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例として、「女性への暴力・差別・抑圧などに声を上げ、社会を変えていこう」という活動をしている「一般社団法人 ちゃぶ台返し女子アクション(http://chabujoshi.890m.com/)」の「同意ワークショップ」の内容をご紹介します。

アメリカやイギリスの大学で行われる「Consent Workshop」を参考に企画されたこのワークショップでは、パートナーシップや性関係における「同意」とは何かを、ロールプレイを通して考えます。

家で二人きりになったとき、キスされたり体をさわられそうになった場面において、それは本当に「YES」なのか「NO」なのか…。性的な行為をする際には必ずお互いの「同意」が必要であり、相手の意思を尊重しなければならないことを学びます。

アメリカの大学では「4人に1人を上回る数の女子大生が、卒業までに性的暴行を受けた」という調査結果があり、日本においても大学生による性暴力事件が連続したことがありました。男女ともに被害者・加害者にならないためにも、機会があればぜひおすすめしたいと思います。

現在、都内のいくつかの大学では、こうしたワークショップが開催されるほか、「あなたらしく大学生活を送るための方法~セクシャル・コンセントハンドブック〜」を配布する活動も行われているそうです。

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また、子どもに「性行為の同意」ついて説明するのはなかなか難しいという方のために、参考になる動画を紹介します。これはイギリスの警察署が2015年に公開したもので、性行為の同意を「紅茶をいれる」という行動に置き換えてわかりやすく説いているもの。下のURLから、ぜひご覧になってみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=KXgaD-0Ara8

子どもを信用することは大事なこと。でも「まさかうちの子が」という油断をすることなく、きちんと情報を与えて知識をつけさせておくことが、親が子どもの「性」を守ることへの近道なのだと言えるでしょう。

工藤玲子
編集者、ライター。お茶の水女子大学文教育学部卒業後、出版社勤務。婦人雑誌の編集に携わったのち、フリーランスとして独立。料理本を数多く手がけ、他にもがん医療、健康、子育て、教育などをテーマにする本の編集や記事を執筆。出産後、「子どもを守る目コミュ@文京区」を立ち上げ、子育てする母親の立場から発信する虐待防止活動を行う。現在、子ども食堂や親子カフェの運営、児童養護施設への出張料理教室なども行っている。2児の母。編著に『柳原和子もうひとつの「遺言」』(中央公論新社)、『がんになるってどんなこと?』(ストーリー担当:セブン&アイ出版)ほか。

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