新旧の働き方ギャップに板挟み…辛い中間管理職が抱える悩みとは?

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vol.5 職場における若手との世代間ギャップ

育児、仕事、家事、社会のこと、ママたちが普段気になっていることをCHANTOモニターに大調査!ママたちの「どうして?」を「なるほど!」に変える記事をお届けします。vol.5は職場にいおける若手社員との世代間ギャップについてです。

今年の春から有給取得の義務化が行われるなど、今の日本はこれまでよしとされてきた働き方を考え直す転換期に来ています。例えば、女性が主人公のお仕事ドラマをとってみても、2000年代には男社会で女性編集者がバリバリ働く様子を描いた「働きマン」が流行りましたが、今年は残業をせず定時できっかり帰る女性が主役の「わたし、定時で帰ります」が話題を呼んでいます。

現在の若者は働きやすいところで選びたいという考えが強く、仕事はやりがいを重視する傾向にあった我々世代とは考え方がそもそも違ってきています。

今回は、そうした若手と我々世代との働き方の差異についてママたちがどう感じているのかを調査しました。

 

<ひとつ前の調査結果に戻る> 小中学校へのスマホ解禁…賛否を決めるママの判断基準は何?

 

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約6割が若手とのギャップに悩んでいる


最初に「職場で若い世代との考え方などのギャップに悩んでいますか」と聞いたところ、「たまに悩む」(45%)「悩んでいる」(12%)「なし」(41%)「その他」(2%)という結果に。「たまに悩む」と「悩んでいる」を合計すると、約6割近くが悩んでいるという実情が見えてきます。

 

では具体的にどんなことに悩んでいるかというと、1位「仕事の姿勢が違う」(20票)、2位「話題が違いすぎてコミュニケーションができない」(10票)、3位「責任感がない」(7票)というランキングになりました。

 

1位の「仕事の姿勢が違う」には、「見て学ぶというより仕事はすべて教えてもらうものという考え方をしている」「自分で考えない」「新人なのに早く来ない」などの意見が。自分たちが若手だった頃に求められた「自発的な行動」が感じられないと悩んでいるよう。そういったことが3位の「責任感がない」ということの理由にもなっていそうです。

 

しかし、自発的な行動がないから最近の若手社員が仕事に消極的という訳ではなく、やり方や熱意の表現が我々と違うためにやる気がないように見えているだけという可能性も。例えば「仕事をすべて教えてもらうもの」という考えも、「自分の考えで行動して間違って迷惑をかけてしまうより、やり方を教わってきっちりと進めたい」という責任感の違いだとも考えられます。少しだけ視点を変えてみたら、若手社員への理解も少し深められるかもしれません。

 

また、「定時より早く来ない」「定時で帰る」というのは私たちが新人のときは当然だった慣習ですが、「仕事に問題がでなければ定時に出社、帰宅していいのでは?」という声もあり、世相にそぐわない価値観になりつつあります。今、仕事の最前線にいる私たち中間管理職が率先してそうした慣習について意識を改めることも求められているのかもしれません。

 

ママたちも若手とのギャップは感じるものの、そうした意識の違いに寄り添った指導を心がけているようで、「若手を指導するときに気をつけていることは?」という問いに「自分たちの時代の経験など押し付けない」「わかりやすく、丁寧に何度でも指導する」「感情的にならず淡々と叱る」という回答が目立ちました。

 

ママたちが若手を見習いたい点とは?


若手とのギャップに困惑することもありますが、「自分の権利を大事にしている」「あっけらかんとしている」など実際のところ今の世代はここがいいとうらやましく思うところもありますよね。「若い世代の社員で見習いたいところは何ですか?」という問いに回答してもらいました。

 

若い世代の社員で見習いたいところは何ですか?※複数回答)

1位 オンオフがはっきりしている 11票

2位 自分の意見をはっきり言える 10票

3位  IT関連に強い 4票

 

「オンオフがはっきりしている」、「自分の意見をはっきり言える」という仕事への態度が1位と2位に。若手たちが自分の生き方を大事にしていることを羨ましいと思っているようです。この2つを見習いたいと思うのには、「新人は定時より早く来るべき」「上司が仕事をしていたら部下も残るべき」、「意見があっても上司の命令は絶対」などママたち自身が不条理な風習に苦しんできたからかもしれません。

 

我々より上の世代は「自分を犠牲にして働くべき」「長時間働くことがよい」という価値観を持って働いてきたため、 中堅どころの私たち世代は両者の間で板挟みになってしまう場合も少なくありません

例えば、若手に配慮したくても、既存の業務サイクルでは残業をさせないわけにいかず、結局若手が潰れてしまうことも。また逆に、よかれと思った対応がコンプライアンス違反だと揚げ足をとられるようなケースも聞かれます。

 

新旧の価値観の板挟みから個人が脱するのは容易なことではありません。

とはいえ、まずは各世代の意識にギャップがあることを知り、その上で、私たちが古い考え方や慣習にとらわれ過ぎていないか、振り返る必要があるのかもしれません。そうした我々の前向きな姿勢がこれからの日本の働き方を変えていくきっかけに繋がるといいですね。 

 

取材・文/阿部祐子 イラスト/児島衣里

©️CHANTO調べ 調査期間:2019年3月13日〜20日 調査対象:CHANTOモニター84

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阿部祐子

出版社に勤務したのち渡米し、長男を出産。帰国後はフリーライターとしてWEBメディアを中心に執筆を行う2児のママ。CHANTO webでは主に育児、アート、ハンドメイドなどの記事を担当。ライター業とともに、がま口作家としても活動している。週末は趣味の建築巡りと街歩きに、夫と息子たちを連れ回している。