借金は「夫婦」の連帯責任になる

パートナーが積み重ねた数百万円の借金。「自分でつくった借金なんだから、自分でどうにかしてね」と突き放せれば良いですが、そうはいきません。

 

法的な責任は生じなくても、夫婦という経済共同運命体としての責任はかかるものです。幸せだったのが一変。生活は一気に奈落の底へと転落などということは、決して他人事ではありません。

相手を問い詰めると余計に借金が増えるワケ

パートナーから「ちょっとお金を貸して」といわれるすべてのケースで「借金」があるわけではありませんが、最悪の事態を招かないためには、たとえ少額だとしても何に使うのかを聞きましょう。

 

そのときに注意したいのは、相手を追い詰めるような言い方をしないことです。追い詰めてしまうと、「パートナーにはもう言えない」と考え、ますます隠すようになります。そうして、実の親にお金を借り始める人もしばしば見かけます。あくまで冷静さを保って聞きましょう。

 

借金があることがわかったら、どうすれば返せるかを話し合うだけでなく、再び借金をつくらないよう、手を打ちましょう。

借金を止めさせるには「数字」トークを!

実践してほしいのは、借金の恐ろしさを「数字」を使って伝えること。私は借金苦に悩む相談者に対して、借入金額と金利から、「返済金額」を数字で表すようにしています。

 

たとえば300万円を借りた場合で金利が15%なら、3年間の返済額は370万円以上、と70万円以上も増えることを伝えます。そうすると、借金をした方も、将来、自分が背負う損失の大きさを実感し、向き合うようになります。

 

借金をしてしまう人は、実は誰かに止めてほしいと思っているものです。怒らずに、冷静に話し合おうとすれば、パートナーも聞く耳を持ってくれるはずです。

 

監修/横山光昭 取材・構成/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ