2019.12.26
寒くなってきたこの時期に怖いのがインフルエンザ。マスクもしていないのに無事な人もいれば、万端の準備をしているのに不思議と防げない人も。インフルエンザに「かかりやすい人」は、いったい何が悪いのでしょうか。
予防接種は“感染”を防げない!
インフルエンザについて特集していたのは、『この差って何ですか?』(TBS系)。世の中の見分けがつかない様々なものの“差”を検証する同番組では今回、「インフルエンザが“うつる人”と“うつらない人”の差」を解明していました。
真っ先に考えつく“差”である「予防接種を受けているか受けていないか」について、国立感染研究所の長谷川秀樹先生はきっぱりと否定。予防接種の目的はあくまで「重症化を防ぐこと」で、予防接種をしたからといってインフルエンザにかからないわけではないといいます。
長谷川先生が解説した“うつる人とうつらない人の差”は「感染ルートを正しく理解しているか」。インフルエンザの感染ルートは2つあり、1つは「飛沫感染」というルートです。“飛沫”とはクシャミをした時などに飛ぶもので、飛距離はおよそ3m。満員電車の中でインフルエンザにかかった人がクシャミをした場合、感染が広がる可能性があります。外出時は欠かさずマスクをして、飛沫感染を予防したいところ。
2時間でわかる接触感染の恐ろしさ
もう1つの感染ルートが「接触感染」。菌がついた人の手や菌がついた物を触り、そこから感染してしまうルートです。番組では「接触感染で菌はどこまで広がるのか」という実験を実施。7人家族のお父さんの手に特殊な塗料を塗って、家族には知らせず普通に生活してもらいました。
2時間が経った後、塗料が誰のどこについているのかをチェック。塗料は部屋を暗くしてブラックライトを当てると、白く浮かび上がる仕組みです。ブラックライトを当てると、お父さんと直接触れ合っていた子どもたちは手だけではなく顔にまで塗料がたっぷり。しかしお父さんと直接接触がないはずの家族3人も、ライトを当てると顔が真っ白に。お父さんが触ったドアノブや子どもが触ったおもちゃなどを介して、手に菌がついてしまったようです。家族の中で1番体についていた菌が少なかったのは、意外にも80歳のおばあちゃん。洗い物などをして頻繁に手を洗っていたため、菌が広がらなかったのかもしれません。家の中でもこまめに手洗い・うがいをして手を清潔に保ち、接触感染を防ぎたいですね。
接触感染の怖さを知った人からは、「これは怖い! 家族の中で誰か1人でも菌を持ち込んだら、あっという間に全員アウトだね」「やっぱり基本の装備であるマスクとうがい&手洗いが大事。家に持ち込んだら終わりだから、帰宅したらすぐに殺菌しなきゃ」という声が相次ぎました。
こまめな手洗い・うがいが1番!
家庭内のインフルエンザ対策として、いったいどんな方法が有効なのでしょうか? 株式会社イオレが子育て世帯1000人を対象に、「風邪・インフルエンザ予防対策」に関するアンケートを実施しています。「効果的だと思う風邪・インフルエンザ予防対策はなんですか?」という質問では、「手洗いうがいの徹底」が87.3%で第1位。次いで2位「マスク(75.9%)」3位「加湿(68.3%)」と続きます。
「子どもに日頃から伝えている風邪・インフルエンザ対策」について聞くと、「手洗いうがいの徹底」が85.3%と圧倒的。すぐに始められる基本的な対策から取りかかっている家庭が多いようです。
ちなみに「外出時に気をつけている風邪・インフルエンザ予防対策」では、「マスク(78.8%)」と「こまめな水分補給(54.0%)」に続いて「人混みにはなるべく行かない(48.3%)」がランクイン。“外出する時はマスク着用”“帰ったらうがい手洗い”を徹底することで、家族をインフルエンザから守りましょう。
文/長谷部ひとみ
参照/株式会社イオレ「風邪・インフルエンザ予防対策」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000030850.html