「産後うつ」の原因と治療
産後うつの原因ははっきりわかっていません。しかし、妊娠前から心の不調があった人は、産後うつを発症しやすいとの報告があります。 また、育児や仕事の悩みを相談できる人がおらず孤軍奮闘しているママや、赤ちゃんに先天的な病気が分かったときなども、発症のリスクが高いと考えられています。
治療の方法としては、基本的には抗うつ薬による薬物療法と、医師や心理士とのカウンセリングが行われます。 母乳育児中でも安心して服用できる抗うつ薬もありますので、薬物療法を開始しても母乳育児を続けることはできます。
産後うつが重症化すると無力感や絶望感に襲われ、育児や家事が全く手につかなくなったり、赤ちゃんに愛着が持てなくなることも。 ママと赤ちゃんの強い絆を形作る乳児期に産後うつがひどくなると、将来的に信頼関係が築けず、子どもが情緒不安定になりやすいなど、様々な影響が出る可能性も。 思い当たることがあればひとりで抱え込まず、病院を受診したり、パートナーを話し合う時間を作るなど、適切な対処をしましょう。
<参考>(※1)『妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル』日本産婦人科医会
文:成田 亜希子