空気が乾燥するこれからの季節に気をつけたいのが住宅火災。もしものときにはすぐに逃げられるよう、2006年(東京では2004年)に住宅用火災警報器の設置が義務化されました。

 

しかし、設置から10年以上経過し、当時設置された最大で年間約2600万台以上の戸建住宅用火災警報器が電池切れの対象時期を迎えているそう。消防庁や日本火災報知器工業会も住宅用火災警報器の取り替えについて啓発を行なっています。

 

「もし、住宅用火災警報器が作動しなかったら…」

 

そこで今回は防災の専門家・危機管理アドバイザーの国崎信江さんを取材。小さな子を持つCHANTO読者2名と一緒に、私たちが家族を守るためにすべき、災害に対する本当の備えについて話を聞いてきました。 

 

座談会に参加してくれたのは…

新宮梨花さん

東京都在住。夫、長女(10歳)、長男(3歳)、次女(6ヵ月)の5人家族。次女を出産後、不動産関係の営業に復職。

武田麻美さん

東京都在住。夫、長男(3歳)、次男(2歳)の4人家族。広告関係の会社で営業事務として勤務。

自宅の火災警報器は大丈夫!?

---煙や熱を感知し、火災の発生を警告音とともに教えてくれる「住宅用火災警報器」。消防庁による義務化が唱えられてから10年以上が経過しているため、当時設置されたものは、電池切れの時期を迎えているそうですが…。

 

国崎さん:

そうですね。住宅用火災警報器の設置が義務付けられたことで、住宅火災の逃げ遅れによる被害が格段に減少、防災においては大きな意味がありました。

 

でも、義務化から10年が経過した今 、電池切れに気がつかず放置された火災警報器があると、メーカー各社も注意喚起を促しているんです。特に2007年までに生産されていたブザー音タイプは市場に約2600万台あると言われています。

 

ちなみにお二人は、ご自宅の住宅用火災警報器の状況について把握されていらっしゃいますか?

新宮さん:

我が家は賃貸住宅で、去年の9月に入居しました。入居の際にすでに設置はされていましたが、いつ設置されたものかが分からないんです。築20年なので、古いものである可能性もありますよね?

国崎さん:

住宅用火災警報器本体には設置時期や製造年月日などが記載されていますので、まずはそこをチェックしてみてください。また、2007年以前に製造された火災警報器の電池寿命末期には、ブザーの警告音が約8秒間に1回なります。その後、警告音が約1週間なり続けた後、電池寿命となり本来の火災警報器の役割を果たさなくなります。 家じゅうの家電から電子音が響くいまの時代、警告音が何の音だか分からずにそのままにしてしまうという事例もあるようです。

 

武田さん:

交換時期を迎えた場合、どんなものを買えばいいのでしょうか?自分でも取り替えは可能なんですか?

国崎さん:

日本火災報知機工業会では、火災警報器をすべての部屋に取り付けることが推奨されています。だからこそ、取り替えるなら「連動型」の火災警報器がおすすめです。

 

「単独型」の場合、火元から離れた場所にいると警告音に気づかないことがあります。それが「連動型」なら、親器と子器が連動し、家じゅうにお知らせしてくれるんです。

▲火災の発生を他の部屋にも警報する、パナソニックの「ワイヤレス連動型」の火災報知器
▲別室のものとも連動しすべて警告音を鳴らすので、どこの部屋にいても火災に気がつく

 

国崎先生:

交換は専門業者に依頼しなくては?と後回しにする人も多いようですが、電池式の火災警報器は、実はとても簡単。ぜひこの機会にご自宅の火災警報器を点検して、早めに交換してください。