2019.05.27
近年、さまざまなマーケットでおひとりさまを対象とした商品が増えてきています。現在でいうところのおひとりさまというのは、結婚適齢期を過ぎた独身者、また、結婚後に訳あって独身者になった人のことを指すようです。
もともおひとりさまという言葉は別の意味があり、そちらの意味として使われていたようです。
おひとりさまの本来の意味と、現在のおひとりさまに関するマーケットについて考えてみましょう。
■もともとは飲食店で使われていた言葉
現在でも使われていますが、「おひとりさま」という言葉は飲食店で使われていたものです。わかりやすい例では、ファミリーレストランがそうではないでしょうか。
まず、店内に入った時に人数を聞かれます。そのときに1人と答えると、「おひとりさまですね」というように確認されますよね。これが本来の意味となるようです。
店舗によっては1名さまという場合もあるようです。
かつては、婚期を逃した女性といった意味合いが含まれいましたが、晩婚化、非婚化が進む現在は、独身を謳歌(おうか)しているといったポジティブな意味合いで使用されるようになりました。
最近はこの意味には女性だけなく男性も含まれるようになり、さらには離婚してフリーになった人も含まれるようになっているのです。
それに伴い、「おひとりさま」向けの商品やサービスも充実してきています。
■おひとりさま向けのツアー
各旅行会社にはさまざまな旅行のプランがありますが、最近目を引くのがおひとりさま向けのツアーです。
ツアーという形式上多くの人が集まるのですが、その参加者全員がおひとりさまなのです。もちろん参加者はおひとりさまに限定され、宿泊先は1名1室となっています。
国内のツアーはもちろん、海外のツアーもいろいろと用意されているようですね。
バスでの旅行、列車や飛行機など移動方法も様々です。おひとりさま限定とはなっていますが、基本的には一般的なツアーと大きな違いはなさそうです。もちろんひとりだからこそできることもありますから、おもしろそうなツアーを探してみるとよいかもしれません。
カタログやパンフレットだけでなく動画で見ることもできるので、旅行の雰囲気などをイメージしやすいことでしょう。
■おひとりさま向けの食品
食品の場合、おひとりさまかどうかはあまり関係がないのかもしれません。どちらかと言えば「1人暮らし向けの商品」ということになりそうです。
例えば野菜などにしても、キャベツ1玉やダイコン1本をひとりで食べるのは大変です。そのため適度な大きさにカットされた商品も多くなっています。
また、サラダをつくろうと思うと複数の種類の野菜をたくさん買うことが必要になりますが、最近は少ない量でもサラダが手軽につくれるように、様々な野菜をサラダ用にカットしたものも売られています。
以前であれば家族向けの商品がほとんどでしたが、1人用のものも多くなっていますよね。
食品においても従来より少量になったものが多く販売されているのです。
■おひとりさま向けのイベント
大手のインターネット通販サイトではおひとりさま向けの商品を一堂にあつめた特集を行っており、様々なテーマのおひとりさま向け商品がラインナップされています。
例えば、グルメ通販で言えば、疲れた時に家で一人の時間を贅沢にするというキャッチフレーズの家カレーうどんがあります。カレーの残りでカレーうどんをつくることをテーマに、うどんとレトルトのカレーがセットになったもの。
また、ひとり飯セットは、ご飯やおかずをセットにしたおひとりさま用の冷凍食品です。
ひとりで外食をした際に4人テーブルの焼肉は恥ずかしいといった場合、自宅で簡単にひとり焼肉ができるプレートと排煙装置がセットになったものも売られています。
このようにおひとりさま向けにさまざまな商品が開発・販売されていますが、特別におひとりさまでなければダメといったものではありません。複数人の家庭でも十分使えるものも多くあります。
■まとめ
以前と比べると結婚に関しては晩婚化がすすみ、もはや適齢期もあってないようなものになっています。そのためおひとりさまと呼ばれる人たちが増えているのも事実。
そうなると物を売る側としては、家族向けの商品と同様におひとりさま向けの商品を開発していく必要性がありますよね。その結果、さまざまなおひとりさま向けの商品がうまれているのです。
おひとりさまといっても、単身者による生活に向けたなるべく手間がかからず、量を適量にしたといった商品がほとんどです。
2~3人分や4人分といったものを、量を減らすことで一度で食べきれるようにしたものが多いようです。
すでにあるものも、おひとりさま向けをコンセプトにリニューアルして販売することで、おひとりさまから共感、支持を得て、ヒットしている商品もあるようです。