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愛情が豊かすぎる夫は妻だけで満足できない!?

コミュニケーション

2021.02.24

2021.02.25

愛情が大きすぎる男性

愛妻家ほど、他の女性も好きになると言われることがあります。それは裏表がある人間という意味ではなく、妻を愛している男性ほど、他の女性への愛情も抑えきれないから。実際、長年、さまざまな人に話を聞いていると、そういう男性はもともと持っている愛情が大きすぎるのかもしれません。

理想の女性に出会い、結婚、そして起業

「妻と娘と恋人がいる。これが僕にとってはいちばん幸せなんですよね。誰ひとり欠けてほしくない」

 

そう話すのは、キヨシさん(仮名=以下同・48歳)は、3歳年下の妻、17歳のひとり娘、そしてつきあって12年になる同い年の恋人がいます。彼にはまったく生活感がありません。最初に会ったとき、待ち合わせ場所に小走りにやってきたキヨシさんは、真っ白いシャツに軽いジャケットを羽織り、爽やかな青年にさえ見えたのです。喫茶店に落ち着いてみれば、こめかみに白いものが混じってもいましたが、その口調、話し方、笑顔など、どこをとっても若々しくて嫌味がない。

 

「妻とは新卒で入った職場で出会ったんです。彼女は短大を卒業後、僕は一浪していたので同期でした。同期でよく飲みに行ったりしているうち、彼女のしっかりしていて明るいところがとてもいいなと思って、つきあうようになりました」

 

30歳で結婚してすぐ、彼は会社を辞めて友人と一緒に起業しました。自分を追い込み、絶対に失敗できないという思いで会社を設立したのです。

 

「いずれは独立したいと思っていましたが、そのときがちょうどいいタイミングだったんです。だけど、妻の妊娠がわかった頃で、言いづらかった」

 

キヨシさんが迷っていたら、勘のいい妻から「何か私に隠してない?」と。それで「実は」と打ち明けることになったそうです。

 

「『どうしてそんないい話を私に最初に言ってくれないの?』と妻には言われました。結婚して間もなく、妊娠したばかりで不安だと思ったんですが、妻は笑い飛ばしましたね。『私は今まで通り、仕事を続けるのよ。あなたの仕事が軌道に乗るまでは私が働いていればなんとかなる。貯金だっていくらかあるしね』って。彼女はいつも鷹揚に笑っているタイプなんですが、これは相当肝が据わった女性なんだと改めて思いました」

 

そんな妻に負けずに頑張ろうと決意したキヨシさん、仕事は3年ほどで軌道に乗りました。 

大学時代の彼女と再会し恋愛のやり直し

家庭を築きながら、キヨシさんはつねに妻の聡明さと楽観的な態度に励まされてきました。妻のことが大好きと公言してきたといいます。ところが35歳を過ぎた頃、学生時代につきあっていたマリコさんと再会。どこへ行くにも一緒だった2人でしたが、卒業と同時にマリコさんは海外の大学へ。

 

「帰ってくるなら待っているから結婚しようと言ったら、マリコは『私は自分の夢を追いたいの。待たないで』と。フラれたんですよね。10数年ぶりに連絡をもらって会ったら、大人のいい女になっていた。海外で働いていた企業の日本支社に転勤になったそうです。バリバリな感じでしたが、話してみればあの頃のマリコと変わらない。やはり僕は彼女が好きだ。そう告げました。彼女は『恋愛のやり直しね』と笑いました。僕は結婚していたけれど、彼女は『それは私には支障にならない。あなたの問題じゃない?』って」

 

そこから2人の関係は復活した。妻も彼女も、そして彼自身も仕事が忙しい。けれども彼は、妻との時間、彼女との時間をそれぞれ大事にしました。

 

「妻も彼女も、それぞれに僕を男として認めてくれる。タイプが違うから、どちらがより好きかは答えられません。ただ、2人とも僕にとっては刺激的な女性なんです」

内縁の夫と偽り毎日見舞いをそして

7年ほど前、マリコさんが大病を患ったことがあります。彼は病院に内縁の夫だと言って、手術の同意書を書きました。毎日見舞い、彼女を励まし続けましたが、「暇じゃないんでしょ、毎日来なくても大丈夫よ」と彼女は気丈に言い、ひとりで退院していったといいます。

 

「気丈な彼女に救われている。というか、妻も彼女もしっかり自立しているんですよね。僕なんかおそらく精神的には彼女たちに依存しているのかもしれない」

 

そこへもってきて早くから自立心旺盛だった娘がいます。娘は今の流行や若い視点を教えてくれる大事な存在。

 

「先日も学校へ行く娘と一緒に家を出たら、『パパ、ちょっと背中が丸くない?』とダメ出しされました」

 

女性3人を支えているのか、支えられているのか。微妙なバランスをとりながら彼はそれぞれの女性を愛し、3人から愛されています。誰もが自分の領域を大事にしながら、身近な人との関係を深めているように感じられました。

 

「僕とマリコとの関係に、もちろん妻は気づいていません。マリコは妻のことを一切聞かない。女性2人の賢明さに僕が助けられているんでしょうね、やっぱり…」

 

不思議なバランスで成立している関係を、彼はこの先も大切にしていくと決めています。

愛情が大きすぎる男性

文/亀山早苗 イラスト/もちふわ

※この連載はライターの亀山早苗さんがこれまで4000件に及ぶ取材を通じて知った、夫婦や家族などの事情やエピソードを元に執筆しています。

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