■別財布と共通財布、どちらにすべき?

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ここまでの内容を総括すると、圧倒的に共通財布の方がメリットも大きいということが分かります。多少のデメリットはあるものの、貯蓄を増やしたい、住宅ローンを組みたい、など家族全体で目的がはっきりしている場合にはおすすめの方法です。 しかし、一方が管理することにどうしても納得できない、お金と共に行動まで制限されているような気がする、年収をパートナーに知られて干渉されることが嫌だ、といったストレスを溜めてしまうような夫婦の場合には、別財布が向いているでしょう。 どちらを選択したとしても、家計の管理で一番念頭に置いておかなければならないことは将来設計を意識するということです。今は老後の年金が受け取れなくなる可能性が高いと言われています。そういった場合に備えて、十分に生活できる資金を作っておくことが重要です。

■新たな価値観!片方負担という選択

別財布、共通財布という考え方の他に、最近では片方負担という言葉も使われるようになりました。家計の支出は全て夫の収入でやりくりをし、妻の収入は全て貯金に回すという考え方です。 この方法のメリットは、貯蓄もしっかりできた上で、夫は比較的自由にお金を使えて、妻も自分が稼いだ分がそのまま積み重なって増えていくため、双方に満足感が得られるということです。 反面、家計の管理をする夫に負担がかかる、結局一方だけの収入では生活費をまかなえず、共通財布と同じような方法になってしまう、といったデメリットもあります。 夫の収入が十分にあり、且つ夫がお金の管理が得意な場合はうまくいくようですが、この条件を満たす夫婦は比較的少ないようで、全体の2割弱となっています。 夫婦の性格や事情などによって、家計管理の方法には向き不向きがあるようです。どの方法もそれぞれにメリット、デメリットがあり、一概にどれが正解ということは言えません。 そのため、夫婦でよく話し合いをした上で、自分たち夫婦が最も納得できるやり方を見つけていくことが大切です。ポイントは、老後の資金を作るために今から管理をしておく、ということを双方忘れないことです。