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子どもの糖質制限「ありorなし」小児科医にズバリ聞いてみた!!

子どもの健康

2020.01.24

糖尿病の改善法、あるいはダイエット法として、すっかり定着した感のある「糖質制限」。自身の糖質制限ダイエットの経験から、「健康的な身体になるのでは」「将来の肥満予防にもなりそう」と、子どもに同様の食事をさせている人もいるようです。成長期の子どもに糖質制限をおこなうことの是非は? 健康への悪影響はないのでしょうか。気になる疑問を、小児科医の金子光延先生に、率直にぶつけてみました。

 

 

 

《取材協力》金子光延先生
小児科医、医学博士。1960年東京都生まれ。1986年産業医科大学医学部卒業後、同大学病院小児科勤務、横浜労災病院勤務、静岡赤十字病院小児科副部長を経て、2002年にかねこクリニックを開院。新米ママ、新米パパにもわかりやすい病気の説明、予防法のレクチャーに定評があり、多くのママ、パパから信頼を集める。著書に『よくわかる、こどもの医学』(集英社新書)、『こどもの感染症―予防のしかた・治しかた』(講談社)などがある。2020年1月に『保育園&小さな子どものいる家庭での食物アレルギー 事故を防ぐためコレだけは』(かもがわ出版)を上梓予定。

 

 

子どもは糖新生が不十分。食事中の糖質は必須!

 

Q.先生は、子どもの糖質制限をどう考えていますか?

小児に糖質制限をして、炭水化物を極端に減らすのは、小児科医の立場からはとてもお勧めできません。

子どもの健康を考えるなら、絶対にやってはダメ。これが基本的な考えかたです。

唯一の例外といえるのが、難治性のてんかんのお子さんに対する「アトキンス食」。

これは治療としておこなう食餌療法(しょくじりょうほう)で糖質制限に類似していますが、管理栄養士さんがバランスを考え、成長の妨げとならないように管理して特別なケースにだけおこなうものです。

医療機関でこのように厳格な食餌療法をおこなう場合以外は、糖質制限をすべきではありません。

 

Q.何がそれほどいけないのでしょうか。

理由は、大人との身体の違いです。子どもの身体は臓器の成長が未発達であり、肝臓の機能も大人と同じではありません。

大人なら、肝臓で糖をつくることができます。これを「糖新生」といいますが、子どもの糖新生の力は、大人に比べて著しく弱い。

その状態で、脳や身体ではたくさんの糖質を消費しているので、簡単に低血糖になるんです。

高血糖より低血糖のほうがずっと問題で、脳に障害が残ることだってあります。

だから新生児期の子どもが、ちょっとでも母乳やミルクを飲めなくなると、元気がなくなったり、ひどくするとけいれん(ひきつけ)を起こすこともあるんですね。

そこからさらに成長して、乳児期・幼児期になってもそう。たとえばウイルス性の胃腸炎などで嘔吐をくり返すと、簡単に低血糖になり、ぐったりしてしまいます。

そのくらい、子どもの身体にとって、糖質はなくてはならないものなんです。

 

Q.実際に、乳幼児期の子に糖質制限をおこなうと、どんなリスクがあるのでしょう?

過剰な糖質制限によって重度の低血糖になると、脳に障害が起こり、正常に発達できない可能性があること。

一生を寝たきりで過ごす危険だってあります。リスクと呼ぶには、あまりに大きな代償であり、非常に重い後遺症です。

そもそも乳幼児期の子たちは、あれほど甘い母乳やミルクをごくごく飲んで、その結果として脳も全身も発達していきます。

母乳やミルクに含まれるのは、市販の砂糖類とは異なる「乳糖」ですが、それでもどんなに飲んでも太らないし、糖尿病になんかならない。

飲ませすぎということがないくらい、糖を必要としているんです。

もちろん、砂糖をたくさん含むジュースや菓子、スナック類をあげすぎるというのは別ですよ。

でも、そんなおかしな食生活をさせなければ、炭水化物をいっぱいとって、お肉もお魚も食べて、果物も食べて、それで何の問題もありません。

制限する必要がどこにあるんでしょうか。

iStock.com/ziggy_mars

 

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