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仕事と家事・育児の両立のため、「パート」や「派遣」といった働き方を選択する女性も、少なくありません。「限られた時間のみ働く」というイメージも強いですが、一定の条件を満たした場合、雇用保険への加入が義務付けられていることをご存知ですか? 「雇用保険料を天引きされてしまう……」など、マイナスイメージを抱く方も多いかもしれませんが、制度について詳しく知れば、ぜひ活用したくなるメリットも多数あります。 パートや派遣でも利用できる!雇用保険でできることを紹介します。

■失業保険や就職促進給付が受け取れる

雇用保険といえば、「失業保険」を思い浮かべる方も多いことでしょう。仕事をやめ、次の仕事を見つけるまでの間、お給料が入ってこないことで、家計が不安定になってしまう可能性があります。こうしたリスクを軽減できるのが、失業保険のメリットとなります。 失業保険では、離職前までの過去6か月間のお給料の金額、年齢、勤続年数などの各種条件から算出されます。またどのような理由で退職したのかによって、受給できる期間には違いが出てきます。 さらに失業保険を給付している最中に再就職をした場合には、就職促進給付を受けることができます。パートや派遣であっても、「正社員として雇用保険に加入している人」と同じようにサポートを受けられますから、手続きを忘れないようにしましょう。 ただしパートや派遣の場合には、失業保険の受給対象になるためには、以下の条件を満たす必要があります。 ・離職前の2年間に、月11日以上働いた月が12ヶ月以上あること


・離職後にハローワークを訪れ、求職申込を行った上で、働く意思と能力があるにも関わらず「失業状態」であること 特にパートや派遣の場合には、1つ目の条件をクリアできているかどうかが、重要なポイントとなります。退職を検討し始めたら、自分でチェックしてみるのも良いでしょう。

■教育訓練給付金の支給も受けられる!

パートや派遣で仕事をしている方の中には、スキルを身につけて正社員へと転身したい!と考えている方もいるのではないでしょうか。この場合は、雇用保険の中に「教育訓練給付金」の制度を活用するのがオススメです。 教育訓練給付金とは、働く人の中長期的なキャリア形成や、能力開発をサポートするための制度で、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給されます。 教育訓練給付金には、「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練金」の2種類があり、それぞれで対象となる教育訓練の内容や受給できる金額に違いがあります。 一般教育訓練の支給額は、受講等費用の20%です。ただし上限額は10万円で、4,000円を超えない場合は不支給というルールが定められています。 一方で、専門実践教育訓練金の方は、3年間で最大で168万円を受け取ることができます。助産師や看護師、建築士、美容師、保育士など……専門性の高い資格を得るために、講座を受講したり専門学校に通ったりすることで、その受講料の一部が支給されます。 厚生労働大臣が指定する給付対象講座数は2,000以上もあり、費用面の負担を軽減しながら、スキルアップを目指すことができます。 教育訓練給付金の支給対象となるためには、一般教育訓練の場合、「受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(支給を初めて受けようとする方については、当分の間、1年以上)」というルールが設定されています。 専門実践教育訓練の場合は、「受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(支給を受けるのが初めての方については、当分の間、2年以上)」となっています。 自分自身が受けたい訓練の内容を踏まえた上で、支給対象となっているかどうか、確認してから行動しましょう。