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仕事の現場において、だれか一人のミスが重要な事態を引き起こすこともあります。ミスは「できるだけ避けるべきもの」と言えるでしょう。 しかし一方で、人間が仕事をする以上、どんなに注意をしていても多かれ少なかれ必ず発生するのが「ミス」でもあります。仕事でミスをしたときには、「ミスそのもの」よりも「その後の対処法」に注目が集まるケースも少なくありません。 ミスによるダメージを最小限に食い止めるためには、いったいどんな行動をとるべきなのでしょうか。万が一ミスをしてしまったときにも落ち着いて対処できるよう、頭に入れておくべきポイントをまとめてみました。

■ミスをしたら、まずは報告!

仕事上で何らかのミスが発覚したら、慌てたり焦ったりする方も多いことでしょう。「まさか……」なんて気持ちから、つい「誰にも知られないまま、ミスをリカバーする方法」について、考え始めてしまう方も多いのかもしれませんね。自分自身でミスをリカバーすることができて、そのことで他の誰にも迷惑をかけないのであれば、それでも良いでしょう。 しかしミスの中には、「自分一人ではリカバーできないような種類」も存在しています。こうしたミスは、隠せば隠すほど、周囲への影響が大きくなってしまいます。このようなタイプのミスをした場合の正しい対処法として、最初に挙げられるのは「報告」です。自分がどのようなミスをしたのか、わかっている情報をまとめた上で、上司に報告してください。 「いったい何を報告すれば良いの?」と悩んだときには、以下の項目に沿って情報を整理していきましょう。 ・ミスの内容


・ミスの原因


・現在の状況 とはいえ、ミスの内容は性質によっても、「上司に報告するべき内容」は変わってきます。仕事の流れ全体に関わってくるようなミスであれば、「原因」や「状況」よりも、とにかく「ミスが発生した」という事実を伝えることが大切です。報告を聞いた上司の判断で、仕事全体をコントロールしてもらうことで、ミスによる影響を最小限に食い止められる可能性があります。 一方で、そこまで大きなミスではない場合、原因究明や現在・今後の状況などとセットで報告した方が、効率的であるかもしれません。このあたりは、ミスの内容に応じて臨機応変に対応してみてください。

■誠意ある謝罪と対処法を提示

ミスをしてしまったときには、「誠意ある謝罪をする」ということも重要なポイントとなります。人間であれば、ある程度のミスは仕方がないもの。「その後に、しっかりと謝罪ができるのかどうか」によって、社会人としての評価が定まってきます。 ミスをしたにも関わらず、「だって」や「でも」といった言い訳を繰り返す人は「反省しておらず、きっとまた同じミスを犯すのでは?」なんて思われがちです。 また無意識であっても、他者に罪を擦り付けるような言動も慎みましょう。ミスの原因がどこにあるのか、上司が誤解するようなことがあれば、その後の処理がなかなか進まなくなってしまうことも考えられます。当然、周囲からの評価も落ちてしまうでしょう。 「ミスをしたら、謝れば良い」というわけではありませんが、「謝ることもできない」というのは、やはり問題です。「ミスをして申し訳ない」という気持ちを、真摯な姿勢で示してください。 また謝罪と共に、「同じミスをしないための工夫」を見せることも重要なポイントとなります。ミスをした際の仕事の流れを明らかにした上で、ミスの原因となった問題点を解決したり、先輩や上司の行動を参考にしたりしてみてください。「ミスから学ぶ姿勢」を見せることで、ミスを評価アップにつなげていくことも可能なのです。