【3月20日(水)AM7時解禁】「リラックマとカオルさん」場面写真ep02_5_result
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—— カオルさんの表情が豊かなのはそういった演出があったからなのですね。リラックマにも表情があるように感じました。

 

小林監督 

そういっていただけるととてもうれしいです。撮影前は悩みどころでもありました。人間のキャラクターは白目があるので目玉を動かすことで表情がわかります。しかし、リラックマは黒目で人間ほど首も動かない。なので、どこにカメラが入れば落ち込んでいるように見えるのか、だらけているように見えるのかとか。光の入れ方、目線の角度、などにはとても気をつかいました。もしかしたら、観た人、つまり受け取る側がリラックマの感情を読み取って「表情がある」と感じているのかもしれませんが、作るときには光、角度、動きにこだわりました。

 

【3月20日(水)AM7時解禁】「リラックマとカオルさん」場面写真ep03_15_result
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—— 今回世界190カ国独占配信となりますが、海外に向けて意識したことはありますか?

 

小林監督 

日本発のお話なので、季節は意識しました。日本の梅雨はジメジメして湿気が多い。秋は夕方の景色がとても綺麗など。リラックマとカオルさんの12ヶ月を描く中で、美術を際立たせるためにここでも光の入れ方には工夫しました。

 

—— ストップモーションアニメを作るのはとても大変! というのをよく耳にします。具体的にはどんなところに難しさがあるのでしょうか?

 

小林監督 

少し雑な言い方ですが、実写であればそこに人がいて、公園にでも行けば映画が撮れるものです。しかし、ストップモーションアニメは、モノをゼロから作り出さないと撮るものがないんです。今回のような設定、つまりリアルな設定にすればするほど、デザインして作り出さなければならないものが増えてしまいます。描きたい世界を立ち上げるためには、すべてをオーダーメイドしなくちゃいけない。そこが一番大変なところですね。

 

—— 監督から見たカオルさんの魅力を教えてください。

 

小林監督 

とても正直な人ですね。表の顔も裏の顔も素直で正直。会社では言いたいことも言えずに鬱憤が溜まっていて、家に帰ると少し毒を吐いてしまう。「裏と表があるのが人間」というのを描きたかったので、カオルさん演じる多部さんにも「カオルさんはとても素直で正直な人です」と説明しました。