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○中国 中国経済の成長はほぼ頭打ちと考えられており、これから投資に参加してもさほどうまみはないでしょう。 ですが投資信託先の新興国といえば中国、というイメージはいまだに根強く、数多くの商品が販売されています。条件がよく気になるものがあったらチェックしてみるのもいいでしょう。 ○インド インドは、今後中国と代わってかなりの成長が期待できる国とされています。投資対象としてはとても魅力的ではあるのですが、そのために若干割高の商品が多くなってしまっているというデメリットも。ローリスク・ローリターンで堅実に利益を得たいという方には向いているかも知れませんね。 ○ブラジル 新興国の中でも伸びしろがあるとされ、少し前まで投資先として人気がありました。2000年代からは経済規模が急激に拡大し、2010年代初頭もさらなる経済成長が期待されていたのですが、その後は政情の不安や汚職問題、財政赤字などのネガティブなイメージから投資先としては魅力を失いつつあります。ただ現在はインフレもコントロールされつつあり、人口に関しても緩やかながら増加傾向があるため投資先として全く魅力的ではない、ということはありません。経済も全体で見れば回復基調ですので、今後の成長も見込めます。 ○ベトナムやインドネシアを中心としたASEAN諸国 今後大きな経済発展・成長が期待できるのがベトナムやインドネシアなどを中心としたASEANに加盟している国々です。


東南アジアで最大の人口を抱えているインドネシアは人口増加による経済成長の維持が期待できますし、現在の経済水準もフィリピンやベトナムと比べると高めで安定しています。 その他のASEAN諸国と比べ成長率自体は下がり気味なのが気になるところですが、インドネシアよりも経済水準がさらに高いマレーシアは安定した経済成長が魅力です。


ミャンマーは他の新興国よりも人口が少なめなこともあり経済規模は小さいですが、人口は増加傾向にあり、現在も高い経済成長率を保っているため今後の成長にも期待が持てます。 ベトナムの経済はいまだ発展途中にあり、今後も成長が持続することが想定されるのが魅力です。ただ今後については経済構造の転換や財政システムを整えることなどの課題もあることには注意したいところです。 2005年には経済成長率13%という数字を記録したカンボジアは、リーマンショック以降は多少伸び悩み、現在は6%程度で落ち着いています。とはいえまだまだ伸びしろはあるので、今後10年前後は経済成長の余地があると見られ、投資先としても魅力的です。

■まとめ

新興国への投資は、その国の経済規模や人口の増加・減少傾向、政情や財政など、いろいろな要素を調べた上で行う必要があります。どの国との輸出入に依存しているかなども、経済成長や株式への打撃には大きく関係してきます。例えばASEAN諸国は多くが中国との輸出入に頼っていますので、その面でのリスクを管理するためには中国経済の動向も同時に追う必要があるのです。 たくさんの要素や国が関係してくるためリスクも大きいのですが、その分ハイリターンも期待できるのが新興国への投資信託といえるでしょう。


投資信託は株式への投資と比べ、挑戦しやすい方法でもあります。投資信託という視点で日々の国際情勢をチェックしてみると、今後経済成長が期待できる国が見えて来るかもしれません。 世界の情勢をぜひ、投資信託を通して理解してください。