子どもから大人まで楽しめるテレビゲーム。最近では、ゲームを長時間プレイする子どもたちも少なくありません。そこで今回は、不登校の子どもを持つ母親の悩みに注目。自宅でゲームしかやらない姿に、子どもの将来が心配になる親は多いようです。
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ゲームにはメリットがいっぱい!?
2月23日放送の『ウワサの保護者会』(NHK)では、“子どもの不登校”というテーマをピックアップ。番組に登場した母親は、不登校の息子が引きこもってから“ゲームばかりしている”ことを心配していました。一時期は不登校の生徒を支援する「適応指導教室」に通わせましたが、雰囲気に馴染めず途中で辞めてしまったそう。番組は母親の不安を解決するため、精神科医の高岡健先生に“ゲームしかしない不登校児童”について質問しています。
はじめに高岡先生が危惧したのは、「昼も夜も寝ないでゲームをする」「食事を1食もとらない」の2点。どちらかに当てはまると、本格的な“ゲーム依存症”の可能性があるため注意が必要です。しかし該当しなければ特に心配する必要はありません。高岡先生は「(オンラインゲームの場合)仲間とのコミュニケーションをしているという認識を持つことが大切」「ゲームにはプラスの面がたくさんある」とコメント。
同番組を見ていた視聴者からは、「ゲームも立派なコミュニケーションツールなんだね」「これからは親の価値観を子どもに押しつけません」といった反響の声が。
ちなみに「ゲームばかりしていると家から出なくなるのでは?」という質問に対しては、「不登校は『自分との対話』をする時間」「自分との対話ができるよう、安心で安全な環境を提供することが大事」と回答していました。
“ゲームばかりする子ども”に賛否の声が続出
“ゲームばかりする子ども”の教育に悩む家庭は多いようで、ネット上では高岡先生の発言に安心する親が続出。
例えば、「子どもがゲームをするたびに不安になっていましたが、もう気にしなくてよさそうですね」「『ゲーム=ダメ』みたいな考え方は古いのかな」「ゲームは子どもに悪影響を与えると思っていました…。先生の発言を聞いて反省しております」「毎日ゲームしていても文句は言いません!」といった声が相次いでいます。
しかし一方で、否定的な声も少なくありません。「先生がいくらいいと言っても不登校はよくないでしょ」「部屋に閉じこもってゲームばかりしているのは不安でしかない」「ゲームを美化し過ぎている気がする」「オンラインチャットで変な人に何か吹き込まれそうで怖い」「メリットがあるみたいだけど、子どものうちは自制ができないから親が管理するべき」などの厳しい声も。
中には、「そもそも『不登校』と『ゲームしかやらない』って別々の問題ですよね?」「ゲームと不登校の問題を一緒に考えるのはよくない」というコメントも寄せられていました。
ゲームをすることは悪いことばかりではない
子どものうちにゲームをしていると、成長にどのような影響が出るのでしょうか。朝日学生新聞社は2017年、小学1年生から6年生の男女とその親を対象に“家庭で遊ぶゲーム”についてのアンケート調査を実施しています。
アンケート結果によると、子どもがゲーム機を持つ世帯の91.9%が家庭内ルールを設けているそう。主なルールとしては、「宿題や勉強を済ませてから遊ぶ」「ゲームをしていい時間が決まっている」「夜遅くにゲームをしてはいけない」など。ちなみに1回のゲーム時間は、平均50.6分でした。
またゲームで遊ぶことを許されている子どもは、効率よく勉強するという傾向があります。さらに親と一緒にゲームをする子どものほとんどは、成績が優秀という結果に。他にも「コミュニケーション能力も高い」「勉強の集中力が高い」「宿題を計画的かつ自主的に取り組む」といった特徴が明らかになりました。ゲームを通じて学べることもたくさんあるようですね。
文/内田裕子