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毎月の給与明細をチェックしていると、気になるのが「総支給額」と「手取り金額」の違いについてです。「頑張って仕事をしているつもりなのに、どうしてこんなに引かれてしまうんだろう……」なんて、ため息をついたことはありませんか? 給与から引かれてしまう金額の内容はさまざまですが、その中でも金額が大きいのが社会保険料控除です。手取り金額を増やしたい!と思ったときには、この控除額が増えすぎないよう、調整するのも一つの方法となるでしょう。 社会保険料の金額が決定する仕組みと、控除額を増やし過ぎないためのポイントを紹介します。

 

■社会保険料とは?

まずは給与から引かれている、社会保険料について説明します。社会保険料とは、厚生年金保険料や健康保険料などを合わせたもの。厚生年金保険料は、きちんと収めることで、将来的に「年金」を受け取ることができます。健康保険料は、病院で治療を受ける際に提示する「保険証」を保有するために必要なお金です。 どちらも、私たちの生活を支えている重要な保険料だと言えますが、その負担金額は決して少なくありません。「必要なものであることはわかっているけれど……もう少し安くなったらな」なんて思ってしまう方もいるのではないでしょうか。

 

■いくら引かれているのかは、給与明細を見ればわかる!

実際に社会保険料として支払う金額には、個人差があります。自分の場合はどうなのかな?と思ったときには、給与明細をチェックしてみるとわかるようになっています。 給与明細からは、総支給額からさまざまな費用が控除され、手取り金額が計算されている様子を見てとれます。控除欄の「社会保険料」をチェックすると、自分がどれぐらい支払っているのか、把握できるでしょう。 社会保険料の金額は、「標準報酬月額」という基準によって決定されます。厚生年金の場合は、給与の金額によって、標準報酬月額を31等級に分けています。一方健康保険はさらに細かく、50等級に分けられています。 まずは自分自身の標準報酬月額がいくらなのか、そして、その金額がそれぞれの等級のどこに当てはまるのかチェックしてみるのがオススメです。

 

■4月、5月、6月の残業代には要注意!

毎月の社会保険料をチェックしてみるとわかるとおり、社会保険料控除の金額は、毎月細かく変更されるわけではありません。実は社会保険料は、通常4月・5月・6月の給料の金額から、一年分をまとめて算出されているのです。 この「給料」には、もちろん「残業代」も含まれています。つまり、4月・5月・6月に残業代が多く支給されると、標準報酬月額がアップし、その後一年間に支払う社会保険料の金額が高くなってしまう可能性があるのです。 職場の環境によっては、「4月・5月・6月の間は残業が多くて給料も多いけれど、そのほかのシーズンはそこまで忙しくはない」なんてこともあるでしょう。この場合、残業代が少ない時期であっても、残業が多い時期から算出された社会保険料を納める必要がありますから、生活が厳しくなってしまうと予想されます。 この時期は、あえて残業の量をセーブすることで、社会保険料の金額を抑えることにもつながるでしょう。 ここで注意したいのが、4月・5月・6月というのは、あくまでも「給料が支給される時期」ということです。実際に仕事をする期間は、3月・4月・5月になるケースも多く、年度末で仕事が忙しい時期との調整が難しくなってしまうことも……。 標準報酬月額は、あくまでも「3カ月間の平均」から求められるもの。「3月はどうしても残業が増えてしまう……」などの事情がある場合には、4月・5月で調整すると良いでしょう。