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保険加入を検討する際には、「返戻金」について興味を抱く方も多いのではないでしょうか。「後でお金が戻ってくる!」と聞くと、なんとなくお得になりそうで、「いいな!」と思うケースもありますよね。 しかしこの「なんとなくお得になりそう!」という予感は、あてにならないケースもアリ。返戻金のある保険の仕組みと、自分に合った保険選びの方法を紹介します。

 

■返戻金とは?

まずは返戻金について、基本的な知識を身につけておきましょう。返戻金とは、保険契約が解約されたり、失効したり、解除されたりしたときに、契約者のもとに戻ってくるお金のことを言います。 例えば契約が満期を迎えれば、自動的に解約され、満期返戻金を受け取ることになります。契約者の事情により途中で契約を解消する場合でも、解約返戻金を受け取れるタイプの保険もあります。 この返戻金がどれだけ返ってくるのかを、割合で示したものを「返戻率」と言い、100%を超えた場合、「実際に振り込んだ保険料よりも多くの返戻金」を受けとることになります。 一方で100%を切るタイプの保険も数多くあり、この場合は払い込んだ保険料の方が高く、貯蓄性が低い保険であると言えるでしょう。 返戻金がいくらあるのかは、保険によって異なっています。契約時に返戻率についてもしっかりと説明されますから、必ずチェックしておきましょう。返戻金ができるだけ高く、貯蓄性の高い保険を選びたい!と思ったときには、返戻率ができるだけ高いタイプを選択するのがおすすめです。

 

■返戻金が多い保険は、そもそも保険料が高い!?

返戻金が多い保険は、後々のことを考えると、確かに魅力的なもの。しかしその分、保険料が高く設定されているケースも少なくありません。いくら「貯蓄性が高い」と言っても、月々の家族の生活を圧迫してしまうようでは、あまり意味がないでしょう。 保険はもともと、万が一のときのため、安心・安全のよりどころとして加入するもの。返戻金だけにこだわらず、「掛け捨て」にも目を向けてみることで、保険料と保障内容のバランスがとりやすくなることも考えられます。 また返戻金の多さをうたう保険の中には、「保険料支払期間中に解約すると、返戻金が非常に低くなってしまう」というタイプの保険も存在しています。それぞれの保険のメリット・デメリットをよく理解した上で、自分に合ったタイプを選択する必要があります。

 

■医療保険の「お祝い金」にも注意しよう

医療保険の場合、保険を利用しないまま一定期間が経過すると、既定のお祝い金が支給されるような商品もあります。「3年ごとに10万円のボーナス!」なんて聞くと、思わず「いいな!」と感じる方も多いのではないでしょうか。 しかし実際には、お祝い金が設定されている保険商品は、設定されていない保険商品よりも割高であるケースも多いもの。「3年ごとに10万円」というボーナスを、割り増しされた保険料から分割で賄っているだけ、なんてこともあり得るのです。 お祝い金が支給されるタイプの医療保険を選ぶ際には、どの程度掛け金がプラスになっているのか、本当にお得なのかについて、よく確かめてから決定するようにしましょう。