ケガや病気が原因で、想像以上に医療費がかさんでしまった……! こんな経験は、誰にだって起こり得るものです。こうしたリスクに備えるため、「高い保険に加入しておかなきゃ!」と焦っている方はいませんか? 万が一のときに、手厚く自分を守ってくれる保険は、安心のもと。しかし手厚い保証を受けるためには、やはりそれなりの保険料を支払う必要があり、その保険料が今の生活を苦しくしている原因だとしたら……本末転倒になってしまいます。 こんなとき、頭に入れておきたいのが「高額療養費制度」についてです。自分に必要な保険を見極めるためにも、まずは健康保険で用意されている「高額療養費制度」を知るところからスタートしましょう!
■高額療養費制度とは?
高額療養費制度とは、医療費の家計負担が重くなりすぎないよう、医療費の上限を設定している制度です。 もともと日本では、健康保険に加入していれば、医療費の自己負担金額は1割~3割に抑えられています。たとえ10万円の治療を受けたとしても、窓口での支払料金は、1万円~3万円ということに。安心して受診できる仕組みが、比較的整っていると言えるでしょう。 しかし医療費とは、時に大きくかさんでしまうものでもあります。例えば1回の手術で100万円以上が請求されるような場合もありますし、長く入院する必要があれば、その分医療費も増えてしまいます。 たとえ自己負担金額が抑えられているとしても、「支払いが難しい」と感じる方は少なくないでしょう。こうした事例が増えれば、「すべての人が安心して医療を受けられる社会」が崩壊してしまう可能性もあるのです。 こうした事態を避けるために作られているのが、高額療養費制度です。実は、私たちが窓口で支払う医療費には、「上限」が設定されており、これを超えた分は、一時的に自分で支払ったとしても、後から支給される仕組みとなっています。 ここで気になるのが、「では上限金額とはいったいいくら?」ということですが、こちらは、年齢や所得の状況によって変わってきます。子育て世代の場合は、所得によって上限が決定され、年収約370~約770万円の方であれば、「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」という計算式で、上限額が算出されます。 所得については、加入している保険が「健保」なのか「国保」なのかによっても変わってきますから、まずは自身の状況から、上限額をチェックしてみるのがオススメです。 高額療養費制度を活用すれば、100万円の手術を受けた場合でも、30万円も支払う必要はなくなります。10万円以下の出費で済むケースも少なくないのです。