■保険は、「対象外の医療費」や「そのほかの出費」を賄うためのもの

国民の医療費負担を和らげてくれる高額療養費制度ですが、実は「対象外」と判断されてしまう医療費もあります。以下のようなものは、自分自身で支払いを求められますから、注意しましょう。 ・食費


・居住費


・差額ベッド代


・先進医療を利用した場合の医療費


・保険外併用療養費の差額 実際に入院して治療を受ければ、食事代はかかってくるもの。また状況によっては、個室に入り、差額ベッド代が求められるケースもあるでしょう。 これらの出費も、決して小さくはありません。そしてこうした費用を賄う目的で加入するのが、民間の保険会社が提供している医療保険となります。 「医療費全体」ではなく、「高額療養費制度でカバーしきれない分を補うため」という目的で医療保険探しをすれば、保険金負担が大きくなりすぎることはありません。

 

■入院や手術が決まったら、限度額適用認定証を

私たちにとって非常に便利な高額療養費制度ですが、基本的には「一度窓口で負担金の全てを支払い、申請をした後に給付金を受け取る」という仕組みになっています。 しかしこちらの場合、「どれだけ高額になったとしても、一度は現金を用意する必要がある」わけですから、負担が大きい……と感じる方もいるでしょう。 もし手術や入院があらかじめ決定されており、医療費が高額になると予想できるのであれば、事前に限度額適用認定証を取得しておきましょう。こちらをあらかじめ病院に提出しておけば、窓口で請求されるお金は、高額療養費制度の自己負担限度額までとなります。 多額のお金を一度に用意する必要がなく、また後で申請手続きをとる手間も軽減できますから、頭に入れておきましょう。

 

■1カ月というくくりに注意しましょう

高額療養費制度において、重要となるのが「1カ月」という期間についてです。この1カ月という区切りは、月ごとの区切りと同一に設定されています。 つまり、4月1日~4月20日までを入院し、請求金額が「16万円」になった場合、高額療養費制度の対象となります。しかし入院時期がずれ、4月20日~5月10日までになった場合、医療費が2カ月にわたって発生します。4月と5月それぞれで「8万円」が請求される場合、制度の対象外になってしまいます。 入院や手術の予定があらかじめ決まっているのであれば、こうした制度の特徴についても頭に入れておきましょう。

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■まとめ

安心して医療を受けるための高額療養費制度。場合によっては、医療費の負担を大きく軽減してくれる制度ですから、しっかりと頭に入れておきましょう。 入院が決まったとき、高額な医療費を支払うことになったときには、まず加入している健康保険組合に確認してみてくださいね。必要な手続き方法など、情報をもらえることでしょう。