お財布は別々でも夫婦で「全貌」を共有する
となるとやはり、お財布を一緒にして家計を一本化するのがベスト? 「いいえ、必ずしもお財布が同じでなくちゃダメというわけではありません。お互いが家計の全貌をわかっていることが大切なんです」。 「共働きは、一家の中に社長が2人いるようなもの」とたとえる前野さん。「社長は部署ごとの細かいお金事情までは把握してなくても、会社の売上、経費、利益はちゃんとつかんでいますよね。それと同じと考えてください」
夫婦2人の手取り収入の合計がいくらで、いくら使っていて、いくら貯められているのか。ざっくりでいいから、夫婦が同じように全体をつかんでいないと、会社経営と同じで、将来に向けて健全な家計は実現できません。 夫婦はいわば運命共同体。自分の財布の中だけ帳尻を合わせて、家計全体が見えていないと、どこか「相手まかせ」な感覚が生まれてきます。「夫のほうが収入が多いんだから、少しは貯めているだろう」とか、「教育費がかかるけど、きっと妻がなにか考えてくれているんだろう」など。