■鍵

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自宅の鍵は当然保管しますが、何の鍵かわからないものを処分してはいけません。故人が大切にしていたからこそ、わざわざ鍵をかけて保管していたことが考えられます。 自宅以外の鍵ということも十分に考えられますので、会社の人や故人の友だちなどに聞いてみると、心当たりがあるかもしれません。

■パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器

最近では高齢の人でもパソコンやスマートフォンを使用していることが多く、亡くなったあとにパソコンやスマートフォンのデータをどうすればよいか困ってしまう遺族も多いようです。 ネットバンキングやネットで投資を行っていた場合、IDとパスワードを記憶させていることも考えられます。 また、定期購入しているものや定期的に課金されるサービスを使用していると、本人が亡くなった後も継続して引き落としされてしまいます。 パソコンに詳しい遺族がいれば、パソコンの中をチェックして解約することもできますが、利用していた全てのサービスを探るのは難しいといえます。 パソコンは邪魔になるからといって処分しようとする人もいますが、あとでわからない請求がきたときにチェックできるため、しばらくは保管しておいたほうが良いでしょう。 パソコン内に必要なパスワード類を保存していることも十分に考えられます。パスワードは再発行してもらうこともできますが、登録されているメールに送られることがほとんどです。 他のパソコンにメールアカウントを設定するにもパスワードが必要となりますので、処分してしまわないよう気を付けましょう。 また、クラウド上にデータを保存していることもありますので、これらもチェックする必要があります。パソコン上のデータを削除したからといって、クラウド上のデータが削除されるわけではありません。故人が使用していたクラウドサービスなども必ずチェックしましょう。

■借りているもの

他人から借りているものを処分してしまうと、あとでトラブルを引き起こしてしまう原因になることもあります。 高額なものであれば弁償問題に発展することもありますので、遺族が判断つかない遺品は保管しておいたほうが良いでしょう。 また、介護用品や通信機器など、レンタルしているものも処分してはいけません。処分すると弁償しなくてはなりませんので、高額な費用がかかってしまうこともあります。 ルーターやモデムなどの通信機器やテレビチューナー、車いすや歩行器などといった介護用品はレンタルの可能性が高いので、確認した後に解約手続きを行うようにしましょう。

■まとめ

遺品整理は資産価値のあるものに目が向きがちですが、遺族や故人に思い入れがあるものも処分せず形見分けの品として残しておきましょう。写真や手紙などかさばるものは、データ化しておくと場所をとりません。 遺品整理で処分してよいかどうか迷ったときは、とりあえず保管しておいてあとで処分を決めるようにしましょう。