寝ているときに、夢を見る人とそうでない人がいますよね。しかし、自分では夢を見ていないと思っている人も、無意識のうちに夢を見ているのだそうです。ただし、その夢の内容の記憶が失われているがゆえに、自分は夢を見ないタイプだと思い込んでいるというわけですね。 そもそも睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しており、その個人差が夢にも大きく影響しているんです。
■みんな寝ているときは夢を見ている
どんな人間でも、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を、90分単位で交互に繰り返していると言われています。以前はレム睡眠の時に夢を見ていて、ノンレム睡眠の場合には夢は見ていないとされていました。ですが、最近はノンレム睡眠の時にでも夢を見ているのではないかという説も浮上してきました。 ノンレム睡眠中の夢の真偽がどうであれ、レム睡眠中に夢を見ているのは揺るがぬ事実。ではなぜ、夢を覚えている人とそうでない人がいるのでしょうか。 そもそも、深い眠りであるレム睡眠中の夢は、見終わったと同時に記憶から消えてしまいます。しかも、繰り返されるレム睡眠中にはそれぞれ異なった夢をみているそうです。 そして実際に覚えている夢は、最後のレム睡眠中の夢でしかなく、夢を見る人というのは、レム睡眠が中断されて目が覚めた場合に、その夢が記憶から消去されずに残るタイプの人のことを指しています。 実際に、覚えている夢はそのほとんどが夢の途中で目が覚めていますよね。常にレム睡眠が終わるタイミングで目が覚める人は夢を見ないということになります。
■眠り方による夢の違い
つまり、毎日規則正しい生活をしていて、睡眠時間がレム睡眠の終わりに合っていると、ほとんど夢を見ることはないということになります。 ですが、仕事等の関係で就寝時間が遅くなった場合に関しては、睡眠時間が少なくなり、レム睡眠のリズムと合わなくなった時に、まれに夢を見るケースがあります。 日頃よく夢を見る人の場合は、睡眠時間が全くレム睡眠のリズムと合っていないということになります。通常であれば、レム睡眠の終わりに目が覚めるのですが、目覚まし等で強制的に目を覚ます場合は、夢を見やすくなるというメカニズムです。
■人間はなぜ夢をみるのだろうか?
夢を見るということは誰もが経験している事実ですが、その夢にはどんな意味があるのでしょうか。これには様々な説があり意見も多数に割れています。 夢には全く意味などないという科学者もいますし、アーティストが自分が見た夢からアイデアを得ていることがあるため、夢にはパワーがあるという人もいます。 スウォンジー大学の研究チームの研究の結果としては、記憶に残るような出来事が多ければ多いほど、その内容が夢に登場しやすくなるということのようです。 夢はレム睡眠中に見るのですが、その間の脳波はシータ波が優勢になります。印象的な出来事が多いほどシータ波が強くなり、その出来事が夢に出てきやすくなるそうなのです。 夢は現実ではなく、個人個人の想像ですから、印象に強い出来事があれば、想像にも出てきやすいのかもしれません。
■夢をコントロールすることはできるのか?
目が覚めた時に見ていた夢がいい夢だった場合、その続きが見たいということもありますよね。 漫画やドラマなどで続きを見るために二度寝をするといったシーンもありますが、寝ているときに見る夢をコントロールすることはできるのでしょうか。 レム睡眠のたびに夢を見ていることは先ほどご説明しましたが、その夢は基本的に毎回違う夢となります。 ですが、見た夢を自身の記憶に焼き付けてしまうことができれば、また同じ夢、その続きを見ることも可能なのかもしれません。実際に目が覚めてもすぐに寝た場合、その夢が印象に強く残っていた場合、続きが見られる場合もあります。 基本的に、見た夢は起きてすぐの場合はまだ覚えていますが、徐々に忘れていきます。どうしても見たい夢がある場合は、忘れないうちにノートやメモに書いていくのもいいでしょう。どんな些細なことでもとにかく書いて、自身の記憶に擦り込むことが大切なのですね。 そして、記憶を書き留めた後は、起きた時と同じ体勢で寝るのがよいそうです。これを繰り返すことで、同じ夢が見られる可能性が高くなるそうです。
■睡眠と夢の関係まとめ
夢を見る人とそうでない人の違いは睡眠時間や起床の方法で異なっているというのは理解できたでしょうか。誰もが夢を見るのですが、その夢が消去されるタイミングの前で起きれば夢を覚えているのです。 誰しもが、夢を見るのであれば悪夢は見たくないですよね。夢は個人の想像の産物ですから、寝るときの状態に大きく左右されます。しっかりとリラックスした状態で寝ることができればいい夢を見る可能性も高くなります。また、疲れていたり、不安な気持ちのままで寝てしまうと、いい夢は見られないのかもしれませんね。