
■平成元年から1990年代初頭
1989年からスタートした平成。バブルの終焉と共に、新たな時代が到来しました。平成の始まりからの数年で流行していたのは、比較的カジュアルな装いです。バブル時代を象徴する、「ボディコン」や「DCブランドアイテム」からの脱却が進み、若者世代を中心に、「渋カジ」と呼ばれるファッションが好まれるようになっていきます。 渋カジの特徴は、シンプルなTシャツやポロシャツに、ジーンズにチノパンを合わせた、実用性の高いファッションであること。当時、渋谷の若者たちが好んでいたことから、この名前で呼ばれるようになりました。 またここから、同じカジュアル路線でさまざまなバリエーションが登場します。カジュアルな中にもブレザーできちんと感を演出する「キレカジ」や、アメリカンテイストを強めた「ハードアメカジ」なども登場し、ファッションで自身の個性を演出する時代を迎えます。
■1990年代後半は、コギャルブーム(平成6年から平成10年頃)
1990年代の後半には、コギャルブームが到来します。「歌姫」としても「ファッションリーダー」としても、非常に高い影響力を持った安室奈美恵さんの影響もあり、「アムラー」と呼ばれるギャル系ファッションに身を包んだ女性たちが、街に多く登場します。 ミニスカートに厚底ブーツ、キャミソールにへそ出しルックなど、露出度の高いファッションを好む女性が増える一方で、裏原系やエスニック系など、独自の雰囲気を追い求める方も多くなります。 また、冬の防寒具の定番となっている「ユニクロのフリース」が初めて登場したのは1998年のこと。軽くて暖かく、しかも安いという特徴が世の中に受け入れられ、平成が終わる現代においても、人気のアイテムとなっています。
■2000年代(平成12年から)に入ると、ファッションは多様化
2000年代に入ると、人々のファッションはより多様化していきます。この頃になると、日本国内の流行だけではなく、世界の流行を意識する女性たちも増加。海外セレブの日常のスタイルをお手本にして、ファッションアイテムの選定をする方も増えてきます。 90年代までは、ファッションリーダーの存在が、世の中の流行を生み出していましたが、2000年代に入ると、その流れは一変します。「一人のカリスマ」によって導かれる時代ではなく、「それぞれの個性を積極的に発信し、共感を得る時代」になったのです。人気雑誌で、「読者モデル」の存在に注目が集まったのも、こうした流れの影響だと言えるでしょう。 「自分らしいファッションを楽しみたい!」という思いから、 ・ロリータファッション・ヒッピー風ファッション など、個性派ファッションを楽しむ方も増えていきます。 一方で、男女共に共通する傾向としては、「異性の目を意識したファッションが人気」という点が挙げられます。「ミュール」や「ローライズジーンズ」が登場したのもこの頃で、いわゆる「モテ系ファッション」を楽しむ方が多くいました。
■平成20年ごろからは、ファストファッションブームの到来

■ 平成のその先は……?
まもなく「平成」の時代は終わり、「令和」という新しい時代がスタートします。ファッションのトレンドは、絶えず移り変わっていくもの。平成の30年間で、ときに進化し、そしてときに繰り返してきたファッションの歴史。今後もさらに、人々の手によって塗り替えられていくことでしょう。 次はいったいどんなトレンドやってくるのだろう?と、前向きな気持ちで楽しんでみるのがオススメですよ。